新居に収納スペースをたくさんつくっておけば、家は散らからないだろう。この考えは、誤りです。ハウスメーカーで家づくりした日刊住まいライターは、収納や中のものを、実際にどのように使うかじっくり検討しなかったせいで後悔するハメに。脱衣室、ウォークインクローゼット、押入れ、可動式棚…どんな点が残念だったか、詳しく語ります。

脱衣所のクローゼットは扉なしでよかった

収納するものが多くなりがちなのが洗面脱衣所。入浴後に着る衣類なども入れておきたかったので、筆者の家では、脱衣所には扉つきのクローゼット収納をつくりました。

収納には扉がつきもの、という固定観念があり、このタイプを迷うことなく採用。しかし、実際に使ってみると、入浴後のタオルや着替えを取り出すときに、扉がない方が使いやすく、あけ閉めが少し面倒と感じる場面が多いです。

普段は湿気対策で、扉をあけていることも多いので、棚だけのオープン収納にして、着替えなどは引き出しを置いて収納すればよかったと、住んでから気づきました。

 

WICはハンガー収納をメインにすればよかった

寝室にはウォークインクローゼットがあります。上部のパイプにはコートやワンピースなどをハンガーにかけて収納。下部には、引き出し収納を置いて使っています。しかし、シワなどが気になるので、実際はハンガー収納にしたい衣類の方が多いです。

子ども部屋も同じ形のクローゼットに。子ども服はサイズが小さいので、たたんで収納していると、引き出し内にムダなスペースができやすく感じています。結局、ハンガー収納にしてしまいがち。

これなら、引き出し収納は使わずに、パイプを上下2本取りつけて、ハンガー収納メインの形にしてもらったほうが使いやすかったのでは…。今さら後悔しています。

単に収納スペースをつくるだけではなく、しまいやすさやなども考慮しつつ、手持ちの衣類に合わせたスペースにするべきでした。

 

奥行きが深い押し入れは、やっぱり使いにくい

わが家には和室があり、押し入れもあります。押し入れは奥行きがあるので、とても収納が難しい…。どうしてもデッドスペースができやすいと感じます。

布団などを収納しているわけではないので、昔ながらの押し入れである必要はなかったと、住んでから気づきました。クローゼットにしておけば、奥行きが浅くなるので、ムダに遊んでいるスペースはなかったでしょう。使い勝手もよかったのではと思います。

棚板の位置や数をしっかり検討すべきだった

収納の中には、可動棚を設置した場所が多くあります。ただ、棚板を何枚にするかまでは未検討。とりあえず、すべて同じ枚数にしてしまいました。

入居後にいざ使ってみると、棚板が多すぎて取りはずすことになったり、逆に棚板がたりなくてホームセンターで購入したり、という事態に。

収納の位置や形状に失敗すると、動線の優れた間取りの家にしたところで、結局、ムダな動きが増えることになります。また、収納が使いにくいと、家が散らかりやすくなるもの。収納スペースを確保するのはもちろんですが、どんな使い方をするかも含めて、検討すべきだったと感じています。