試合中に、唯一選手への助言が許されているキャディ。中でも、それを生業としている「プロキャディ」という存在は、今のゴルフツアーを支える欠かせない存在となっている。重いキャディバッグを運ぶため、男性が多い仕事ではあるが、女性キャディも多くなってきている印象にある。女性プロキャディの先駆けとも言える元・宮里藍の専属キャディ小田美奈さんが考える、現在の女性プロキャディと今後について。
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18ホール、キャディバッグを担いで運ぶことができる体力がある--ということが、大前提とされるトーナメントでのキャディという仕事。そのため、どうしても体力的に劣るとされる女性が少なくなるのは仕方のないことですが、ここ数年、女性のプロキャディの姿をよく見かけるようになってきました。
私が男子プロのキャディとしてツアーにフル参戦するようになった当初、女性でプロキャディを生業としている人は片手で数えられるほどしかいませんでした。その頃のキャディは、キャディの仕事以外に運転手や夕食時のお店の手配、ホテルの予約等をこなすマネージャー的な存在も兼ねていることが多かった時代。朝から晩まで一緒の行動になるため、それが女性というだけで「付き合っているのでは?」と勘ぐられたり、あれやこれやと噂されたりすることもありました。
体力的な問題から、プロ側にも「女性には担がせられない」という意見があったのも事実。「女性キャディは軽量のキャディバッグしか担げない」というイメージもあり、メーカーの方から渋い顔をされることもありました。
実際、私も軽量バッグに変更してもらっていたので、その点については自分にも原因があり、非常に後悔しています。しかし、体力に少々自信がなかったのも事実。その後、男性キャディと同じように大きなキャディバッグを担ぐようになり、プロと別行動するようになって、やっとプロキャディとして認めてもらえるようになってきたと感じましたね。
現在、まだまだ少ないとはいえ、ずいぶんと増えた印象の女性キャディ。その理由として考えられるのが、電動の手引きカートが手軽に購入できるようになったことです。自動で動いてくれるので、かなり楽にキャディバッグを運ぶことができますし、リモコン操作が可能なものもあります。折り畳み式のため持ち運びも便利で、宅急便も利用できます。
最近では、女性キャディに限らず男性キャディも使っている印象の電動の手引きカート。それによって、「18ホール、キャディバッグを担いで運ぶことができる体力がある」という大前提が崩された今、いよいよ男性も女性も関係なく就ける職業になったと言えますね。
「女性の方が色々相談できる」と感じているプロも少なくないと思うので、これからますます女性のプロキャディが増えていくのだろうなと感じています。
■小田美奈/おだみな 元プロキャディ。大学のサークルでゴルフを覚え、トーナメント運営のアルバイトからプロキャディに転身。男子、女子両ツアーで活動し、宮里藍のデビューからアメリカ本格参戦まで専属キャディを務めた。これまでに宮里藍で9勝、今井克宗で2勝の計11勝をサポート。同じプロキャディの小田亨さんと結婚し、現在は二児の母をしながら、近所のゴルフ場でハウスキャディとしてアルバイト中。
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