「思いもよらぬ大サービスに機内で笑ってしまった!」

そんなつぶやきと共に投稿された、鹿児島空港を発つ前の飛行機内から撮影された映像がツイッター上で注目を集めている。

まずは、2022年10月27日に漫画家の葛屋(くずや)カツキさん(@S9992020)が投稿した動画付きのツイートをご覧いただこう。

飛行機の窓から見えるのは、地面に書かれたジャック・オー・ランタンとコウモリのイラストと、整備スタッフの後ろ姿だ。スタッフの手元は何やら細かく動き......あっという間に文字が現れた!

書かれた言葉は「鹿児島にまた来てね!」。メッセージを完成させたスタッフは、機内の乗客に向けて一礼すると、手を振りながら去っていく。

パフォーマンスを目撃し、「鹿児島空港ーーまた来るよ!」と、心からお返事する葛屋カツキさん。このツイートは多くの人びとの心を和ませ、23万6000件もの「いいね」が付けられるほどの話題に。

ツイッター上では数々の称賛の声も寄せられている。

「良いですよねぇ 思わず心が軽くなりますよねぇ」
「見に行きたい!!」
「粋!」
「めちゃほっこり!」
「いい仕事してるなあ」
「こういう事って良い思い出としてずっと残りますよね」
「ほんと、鹿児島いい所ですよねぇ、私は移住したいほど好き」

なんとも粋なサービスではないか。Jタウンネット記者は、投稿者の葛屋カツキさんと、葛屋さんが利用した航空会社・スカイマークを取材した。

コロナ禍、実は練習してました

鹿児島には取材旅行で行っていたという葛屋さんによると、話題の動画は10月27日のお昼、スカイマークの機内から撮影したものだ。

「最初は機内からただ外を眺めていただけで、絵を描かれていることに気付きませんでした。 ほんの2〜3分だったので、動画を撮ろうと思った時には描きあがってしまい、 仕上げの数秒しか撮れなかったのが残念です!
片側の窓際の席しか見えないので、他の方は気付いていなかったかもしれません。 描かれた絵も、離陸前にサッと消えてしまいました」(葛屋カツキさん)

「飛行機の離陸前のちょっとした時間ですが、とても良い思い出になりました」と、葛屋カツキさんはしみじみと語る。

次にJタウンネット記者は、スカイマークの広報担当者に取材した。

滑走路に絵やメッセージを描くサービスは、いつ頃から始まったのか? それには、どんなきっかけがあっただろう? 担当者は次のように答えた。

「水アートを始めたのは那覇空港支店です。長引くコロナ禍の中、何かお客様に喜んでいただけることはないかと考え、業務の支障にならない範囲で水アートを始めました。
お客様から好評だったので、ノウハウを支店間で共有し、鹿児島空港支店でも行うようになりました」(スカイマーク・広報担当)

なるほど、やはりコロナ禍がきっかけになったようだ。各支店でノウハウを共有しており、鹿児島空港では整備担当のスタッフだが、他支店では、機体の誘導や手荷物の運搬など飛行機の運航を支えるランプ管理課の一部のスタッフも描いている。シーサーやこいのぼり、母の日のカーネーションなど、地域や季節に合わせたテーマを選んでいるという。

「コロナ禍で緊急事態宣言などにより運航便数が減り、休憩時間や便間が長く空いた時間を利用して各個人で時間をつくって練習しました。夏場はすぐ蒸発してしまうため、短時間で描くことに苦労しました」
「安全を第一に業務の支障にならない範囲で業務の空き時間(荷物を積み終わった後等)の時間を利用して描いています」(スカイマーク・広報担当)

今回、ツイッターで大きな反響があったことに対しては、「大変ありがたく思います。今後も、安全を第一に担当業務を行った上で、支障のない範囲で対応することができたらと考えています」とコメントした。

スカイマークの飛行機に乗るときには、窓の外を要チェックだ!

(2022年11月4日10時15分編集部追記:記事初出時、本文の一部で葛屋カツキさんのお名前に誤りがありましたので訂正いたしました)