京都市内の阪急電鉄京都線・洛西口駅で、鉄道ファン数人がホームの立ち入り禁止の柵を越えて入り、電車を撮影していたとして、ツイッターで写真が投稿された。

投稿者は、非常通報装置を押し、駅員に状況を伝えたが、鉄道ファンらは走って逃げたという。阪急電鉄は、客から状況を聞いたと取材に答え、「転落すると命に関わるので、禁止場所に入るのは止めていただきたいです」と話した。

「駅員に状況を話し、防犯カメラに映っているはずだと伝えた」

若い男性3人ぐらいがホーム端の柵を越えたところで、反対ホームに入ってくる電車の写真を撮っている。柵には、立ち入り禁止の表示があり、手前には、カメラを入れていたとみられるバッグが置いてあった。

この写真は、非常通報装置を押したという人が2022年9月14日、ツイッターで投稿した。

1100件以上リツイートされており、まとめサイトも取り上げる騒ぎになっている。

投稿者は、鉄道ファンらが走って逃げて駅の改札を強行突破したとし、駅員に状況を話し、防犯カメラに映っているはずだと伝えたという。

ファンらの行為について、投稿者は15日、J-CASTニュースの取材に答え、14日の15時35分ごろに写真を撮ったと説明した。鉄道ファンらは当時、試運転の電車を撮影しようと柵の外側に出たため、非常通報装置を押したという。ファンらは、料金を支払わずに駅の改札を突破して逃げて行ったのも目撃したとした。

阪急電鉄の広報部は15日、洛西口駅の下りホームで14日の15時33分ごろ、非常通報装置が押されて、駅員がホームに向かったと取材に認めた。

「どの方が押したのか特定できていませんが、ホームにいたお客様に確認したところ、上りホームで数人の方が柵を乗り越えて、電車の写真を撮っていたとの話でした。すぐに逃げて行ったとのことで、駅の係員は、乗り越えた方々を確認できませんでした」

同一人物かはっきりしないが、数分後に3人が改札を強行突破した

鉄道ファンらが撮っていたのは、京都線で通常走っている茶色いマルーンカラーの電車で、9月14日は、メンテナンスした後に乗客を乗せずに試運転していた。ファンらがなぜ試運転のことを知ったのかについては、阪急電鉄でも分からないという。

試運転の電車は、非常通報装置を押したことで、自動ブレーキがかかって緊急停車した。その後、異常がないことを確認して、運転を再開したが、この影響で京都線の上りで2本に5分の遅れが出たとしている。

同じファンかは分からないというが、非常通報装置が押された数分後には、3人が改札を強行突破して行ったことも明らかにした。駅員が3人を追いかけたが、逃げ切られてしまったという。

「防犯カメラについては、社内で確認していますが、その内容は控えたいと思います。撮影に熱中して線路などに転落すると、命に関わります。また、列車往来妨害にもなりますので、立ち入り禁止場所に入るのは止めていただきたいです。危険を未然に防ぐための非常通報装置ですので、こうした危険があるときは、押して知らせていただきたいと思います。鉄道ファンの方の趣味は分かりますが、マナーを守りながら良い写真を撮るのがあるべき姿ではないかと思っています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)