ここ数日、渋谷駅の地下構内を歩いていて、多様な生きものが描かれた“不思議なアート”を目にした人も多いのでは? 実際、アートを見た人からはさまざまな声があがっており、その中には「近くでよく見ると、この絵ってプチプチでできているの?」「この展示、トヨタがやっているの?」なんてものも……

その声の通り、これはトヨタ自動車が行っている「サステナビリティ実験」の第2弾。なんと約6万粒ものプチプチを使って多様な生きものを描く「#生態系プチプチアート」の展示なのです。

どうしてトヨタがこのような取り組みをしているのでしょうか。この企画は完成品を展示するだけでなく、アートを作り上げる過程から展示・公開するのが特徴。ということで、展示の目的や制作の様子を現場からレポートします!

このアートをトヨタが展示する目的は? なぜプチプチで描くのか

トヨタが今回のプチプチアートを展示した目的は、同社がトヨタ環境チャレンジ2050で定めた「人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ」や、「トヨタ自動車の自然共生の取り組みについて」多くの人に知って欲しかったからとのこと。

たとえばトヨタでは、多様な生態系を守る目的で、1997年から愛知県豊田市に「トヨタの森」をオープンしています。東京ドーム9個分の広大な土地を管理し、希少な動植物たちを保全。また、さまざまな生きものを呼び込めるように森を整備。そのほか、一般の方が自然を身近に感じられる工夫もしているそうです。



こういった活動を広めるため、約6万粒のプチプチ1つ1つにインクを注入して、トヨタの森で暮らす生きものを描くのが今回のチャレンジ。壊れやすい多様な生態系を、つぶれやすいプチプチアートで描くという実験で、9月15〜21日に渋谷ちかみちPickUpランキンで展示されています。

この実験はアートの“制作過程”を見せていくのも特徴。展示初日の15日は、まだ何の絵も描かれていない状態であり、そこから日ごとにインクをプチプチに注入。徐々に生きものの絵が出来上がっていきます。

ということで今回、初日から現場に密着。プチプチアートが完成するまでの様子を見てきました。ここからはその模様をお伝えします!

1粒1粒にインクを注入してようやく完成……からの衝撃シナリオ

15日に現場へ行くと、壁一面に膨大なプチプチが用意されていました。そして、1粒1粒にインクの注入を開始。アート制作が始まりました。



ちなみに、それぞれのプチプチにどの色のインクを注入するかは、すべて事前に決まっています。専用アプリを作り、どんな配色にすれば生きものの絵が完成するかをプログラミング。よく見ると、プチプチには1粒1粒すべてに番号が振られており、何番にはこの色と決まっているのです。



翌16日になると、少しずつインクで彩られた面積が増えてきました。プチプチは破れやすいので、慎重かつ丁寧に行っていきます。通り過ぎる人の中には「いったい何をしているのだろう?」と不思議に思う人も。



開始から3日目の17日、徐々に絵の全貌が見えてきました。森の中に、少しずつ動物たちの姿が浮かんできています!



ここまで来ると、プチプチで絵を描いていることに気づいて、しばらくその場で眺める人も増えてきたように感じます。

そして18日、プチプチアートがいよいよ完成しました!



6万粒すべてにインクが入り、生きものの姿があらわに。普通の絵とは違う、プチプチのもたらす立体感が何ともいえない雰囲気を生んでいますね。

描かれた生きものをスマホで撮影する人もいれば、近くまで行き、どうやって描かれているのか間近で確かめるシーンも。多くの人がその絵を眺めていました。

しかし、喜んだのもつかの間、完成から2日後の20日に大事件が起きてしまいます……。なんと、せっかく完成したプチプチアートがつぶれてしまっているではありませんか。



完成後、2日での破壊には驚きましたが、これはハプニングではありません。

その狙いは、アートが壊れる姿を通して「生態系は壊れやすいもの」だと伝えるため。時間をかけてつくったアート、さまざまな生きものを描いたアートが一瞬で壊れることで、生態系は壊れやすい、だからこそ守らなければいけないというメッセージを伝えたかったのです。

いまもつぶれた状態のアートは展示されており、21日まで見られる様子。興味のある方は、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

また、トヨタは今後も、持続可能な社会の実現を目指して活動を続けていくとのこと。すでにプチプチアートに続く、第3弾のサステナビリティ実験も用意されているのだとか。次回もどのような驚きを与えてくれるのか、注目です。

「トヨタのサステナビリティ実験」
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[PR企画: トヨタ × ライブドアニュース]