かつての任天堂のゲーム機Wii Uは、2つのGamePad(本体付属の画面付きコントローラー)を同時に使えるようになると予告されていましたが、結局そうはなりませんでした。基本的にGamePadは1つのみ接続でき、2人で遊ぶ場合は別のコントローラーを使うことになりました。

↑Wii U

 

なぜ、デュアルGamePadが実現しなかったのか? 米任天堂の前社長レジナルド・フィサメイ氏(愛称は「レジーさん」)は、米ゲームメディアMinnMaxのインタビューで理由を明らかにしています。

 

レジーさんの回答をひと言でまとめれば、Wii Uのインストールベース(稼働している台数)が低く、複数のGamePadを使うゲームソフトを作っても意味がなかったため、ということです。以下、回答の全文です。

「Wii Uについて興味深いのは、面白いインタラクションや機能を実現しようとする完全な開発プランがあったことです。それが実現していれば、技術的には複数のGamePadをWii Uと通信させることができたのか? 答えはイエスでしたが、そのような実装が意味をなすほどインストールベースが大きくなることはありませんでした。そして何より、素晴らしい体験をするためにもう1台GamePadが必要になるようなゲームを会社は作らなかったのです。開発が進まず、Wii Uの寿命も短かったので、結局実現しなかっただけです」

 

つまり技術的には可能だったが、それだけのコストをかけたゲームソフトを作れるほどWii U本体が売れていなかった。そしてWii Uを売るためには、2つのGamePadを使って面白い体験が出来るようなゲームが必要だったという「ニワトリが先か、タマゴが先か」のような袋小路にはまり込んでいたようです。

 

またWii Uは2012年に発売され、2017年には生産が終了。販売台数も1356万台(任天堂公式データ)であり、スイッチ(2022年3月時点)の8分の1程度でした。もしも任天堂がGamePadを単品で販売したとしても在庫の山になりそうで、だからこそ「紛失・廃棄」された場合だけのパーツ販売としたのでしょう。

 

レジーさんのインタビューは、下のYouTube動画でご覧になれます。宮本茂氏やスイッチについての考えなども聞けるため、興味のある方はチェックをおすすめします。

Source:MinnMax(YouTube)
via:NintendoEverything