この記事をまとめると

■ドラマ「マイファミリー」に登場する劇中車「RCZ」について解説

■プジョーのクルマながら数字を使わないことでも話題になった

■「R」の文字がつくハイパフォーマンスバージョンも設定されていた

今見ても個性的な唯一無二のスタイル

 毎度毎度、「コイツが犯人だろう!」と思った直後に裏切られ、人間不信になりそうな怒涛の展開にハマる人続出だったドラマ『マイファミリー』。

 最後の最後に真犯人がわかった時には、「あ〜これでスッキリ眠れる」と安堵しましたよね。じつはその裏で、クルマ好きたちの間では、主演の二宮和也さん演じる鳴沢温人の愛車として登場した、超個性的なスポーツクーペモデルが話題になっていたんです。

 そのクルマとは、フランスの自動車メーカー、プジョーが2009年のフランクフルトショーでお披露目し、2010年に日本にも導入された「RCZ」。2ドアながら小さな後席も備える2+2シータークーペで、ニカッと笑う猛獣のようなフロントマスクが印象的。

 ルーフはなだらかな2つのコブのような弧を描く「ダブルバブル」と呼ばれるデザインが大きな特徴で、両側のアルミ製のルーフアーチもオシャレさをアップさせています。プジョーは歴代、車名に「0」や「00」をつけるのが慣わしとなっていましたが、それがつかないことからも、プジョーにとって特別な1台であることがうかがえます。

 ただ、ショーではディーゼルハイブリッドを搭載したコンセプトカーまで出展された意欲作だったのですが、市販モデルは本国では1.6リッターのガソリンが200馬力と156馬力の2タイプ、2リッターディーゼルが163馬力の1タイプとなり、日本に導入されたのはガソリンモデルのみ。

 左ハンドル仕様の6速MTに200馬力、右ハンドル仕様の6速ATに156馬力のエンジンが搭載されていました。

ハイパフォーマンスモデルも設定

 その後、RCZは2013年6月にマイナーチェンジが行われ、デザインも変更。フロントマスクはグリルが小さくなり、おちょぼ口のようなおとなしいデザインに。リヤもややぽってりとボリューミーになり、ライオンのプジョーエンブレムも新しいものに変わっています。

 劇中で二宮さんが愛車としていたのは、このマイナーチェンジ前のデザインでしたね。

 ホイールのデザインなどから推測するに、2010年〜2012年式あたりの左ハンドル・MTモデルだと思われます。ご本人がドライブするシーンもありましたので、二宮さん、マニュアルの運転がお上手のようです。

 RCZには、スピードに応じて2段階に角度が変わるアクティブリヤスポイラーも装備されているので、もしかすると走行シーンを後方や上から撮っているシーンでは、確認できるかもしれません。ライトブルーのボディカラーも特徴的で、湘南に豪邸を構えるという設定上、海沿いを走るシーンも多くて、とてもスタイリッシュでしたね。

 それに感化されて、思わず中古車を検索してしまった、という声がチラホラ。すると驚くことに、発売当時は新車価格がMTモデルで423万円、ATモデルで399万円だったのですが、現在の中古車価格は100万円以下とかなりお手頃になっているのです。

 なかには50万円前後のモデルもあって、グッと前のめりになった人も多いのではないでしょうか。

 後期モデルは100万円以上の個体が多いですが、とくに高年式の「GTライン」や、プジョーのモータースポーツ部門であるプジョースポールが開発を手がけ、270馬力のハイパワーとなっている「RCZ R」は高額。

 そもそもRCZ Rは日本では150台限定で販売されたモデルでしたので、見つけたら超レアといっていいでしょう。そしてRCZは本国でも2015年をもって生産終了となっています。

 ドラマは最終回を終えてしまいましたが、再び注目を浴びたRCZの人気はじわじわと続いていきそうな予感。前期モデルのMTとATを比較試乗した経験から言えば、走りの楽しさはダンゼン、MTモデルが素晴らしいです。

 ただデザインはほとんど変わりませんし、日常での便利さはやはりATのほうが上。中古車市場でもMTモデルは少ないので、好きな色などを選びやすいのはATモデルだと思います。気になった皆さま、ぜひチェックしてみてくださいね。