厳選!2歳馬情報局(2022年版)
第6回:シリンガバルガリス

 GI4勝を挙げたラッキーライラック。その名牝の弟がまもなくデビューを迎える。

 栗東トレセンの松永幹夫厩舎に所属するシリンガバルガリス(牡2歳/父オルフェーヴル)だ。


シリンガバルガリスの姉には、GI4勝を挙げた名牝ラッキーライラック(写真)がいる

 同馬の全姉となるラッキーライラックは2017年8月にデビューすると、無傷の3連勝でGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を制覇。2歳女王に輝いた。

 3歳牝馬クラシックでは、歴史的な名牝となる同期の三冠牝馬アーモンドアイに屈したが、GI桜花賞(阪神・芝1600m)で2着、GIオークス(東京・芝2400m)では3着と奮闘。最強牝馬相手に善戦した。

 古馬になってからも重賞戦線で躍動。4歳時にはGIエリザベス女王杯で戴冠を果たし、海外GIの香港ヴァーズ(香港・芝2400m)でも2着と健闘した。

 さらに、5歳時にはその実力をいかんなく発揮。牡馬相手のGI大阪杯(阪神・芝2000m)を制すと、秋にはエリザベス女王杯で連覇を遂げた。2歳から5歳まで、大きなケガもなくコンスタントに活躍。多くのファンに愛された名牝と言えるだろう。

 その弟ゆえ、デビュー前から脚光を浴びているシリンガバルガリス。姉も管理した厩舎スタッフからも大きな期待が寄せられている。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「シリンガバルガリスについて、スタッフからは『高い能力を感じる馬。(管理する2歳馬のなかでも)走ってほしい1頭』と、力の入ったコメントが聞かれました。ゲート合格後、一度放牧に出して『しっかり成長した』とのことで、『稽古の動きがよく、本当に能力を感じる』とべた褒め。陣営の期待の大きさが伝わってきました」

 初陣は7月10日の2歳新馬(小倉・芝1800m)。鞍上は松山弘平騎手が務める予定だ。

「松永厩舎では、期待馬を小倉開催で下ろすことが多く、その点でも見込みのある1頭と言えるのではないでしょうか。ただ、『この血統は気難しい部分のある馬が多い』とスタッフ。『今はおとなしいものの、レースが近づくにつれて気難しさが出なければいいが......』と、今後に向けて気性面は不安要素になるかもしれません」

 とはいえ、素質の高さは明らか。姉ラッキーライラックを彷彿とさせるようなパフォーマンスをいきなり見せるのか、デビュー戦の走りから目が離せない。