続々と値上がりが続いていますが、暮らすうえで欠かせない食費は、なかなかコントロールが難しいもの。少しでも節約効果を上げるため、節約アドバイザーの丸山晴美さんに実際にやっていることを教えてもらいました。

続く食材の値上げ。今、私たちができること

値上げラッシュが続いています。光熱費はもちろんのこと、食料品、外食、家電製品、交通費などさまざまです。この6月にも大きな値上げがありましたが、今後も値上げを発表している企業も多く、今後も値上げラッシュが落ち着く様子はありません。

●なぜ食品が軒並み値上げしているのか

値上の主な要因は、「原油・資源高」・「円安」・「気候変動・天候による不作」・「穀物相場の上昇」・「人件費の上昇」です。

最近の食品の値上げの傾向としては、小麦や食用油がカギとなっています。小麦粉や食用油が値上がりしている理由は、「主要産地の不作」や「輸送費の高騰」、「世界のアフターコロナでの需要増」、「円安」、「ウクライナ情勢」など複数の要因で穀物相場が上昇しているためです。今後も小麦粉や食用油は値上がり傾向が続きます。そして、これらを使った菓子パンやスナック菓子、冷凍食品といった加工された製品については、原油高で輸送費や製造コスト、パッケージのコスト増、人件費など、複合的な要因も含まれるため、値上げのスパンも短くなってきており、そしてまた内容量を減らして価格を据え置く「ステルス値上げ」がされやすいのも特徴です。

外食も同様に、材料費だけではなく、光熱費、人件費の高騰などで、外食各社値上げを発表しているほどです。とはいえ、食事は私たちにとってなくてはならないもの。我慢できる分野ではないため、今後どのような対策をとるといいのでしょうか?

お金のプロが実践する食費節約。やっぱり自炊がいい理由

直近の食品値上げの傾向としては、加工度合いが高いものほど値上がりしやすいということです。つまり、加工されていない食材を中心に自炊をすることで、この値上げ時も対応することができます。

●米飯と旬の食材をメインにする

お米は価格が安定した主食ですので、米飯をメインにするとよいでしょう。そして旬の食材は、栄養価も高く、生産時のエネルギーもハウス加温栽培と比較するとほとんどかからないためエコな食材ですので、これからの季節なら夏野菜を上手に取り入れた食事を楽しみましょう。

 

●冷凍保存をする

安く大量に購入をしても、最後まで無駄なく食べきれなければ節約とは言えません。そこでおすすめなのが、小分け冷凍、下味冷凍といった冷凍保存をすることです。

野菜とお肉、調味液をジップ式の袋に入れて、冷凍保存をすれば解凍後に加熱するだけで1品つくることができます。

ブロッコリーは洗って小房に分けた後、下茹でせずにそのままジップ式の袋に入れて冷凍すると簡単に冷凍ブロッコリーになります。冷凍野菜も高騰してきていますから、野菜も上手に自宅で冷凍していきましょう。

お弁当のおかずとして便利な冷凍食品も値上げが続いています。画像のように総菜を手づくりして、カップで小分けをして冷凍をすると、自作の冷凍食品を作ることができます。夕飯のおかずを作るときにちょっと多めに作って、小分け冷凍にすることで手間を省くことができます。

 

●手づくりできるものはする

ぬか床があれば、簡単にぬか漬けができ、漬物を買う必要がなくなります。野菜の切れ端や葉っぱをぬか床に入れるだけで食べきれるように。

ぬか床の水分対策として、お茶パックに、切り干し大根を乾燥したまま入れたものをぬか床に漬けると、ほどよくぬか床の水分を吸収してくれます。もちろん漬物として食べることができます。

ぬか床は乳酸菌が豊富なため整腸作用など健康効果も期待できるので、上手に取り入れたいものですね。

 

●野菜の値上げ対策

旬の野菜は家計の味方でもありますが、肥料価格が高騰しているため、今後の国内産の野菜価格に影響が出る恐れがあります。そのため、少しでも今後の野菜高騰に向けて、わが家ではあいているプランターに種まきをしました。

100円ショップでも手軽に種を入手することができますので、簡単そうな野菜を選ぶといいでしょう。

ふるさと納税の返礼品を野菜にするのも一案です。こちらの返礼品は、5000円の寄附でいただいたものです。返礼品の野菜の選び方としては、不作で値上がりしているものを選ぶのも一案です。現在では、タマネギとジャガイモが高くなっているので、それらの返礼品を探してみるのもいいですね。

食品は生活に直結するものだからこそ、上手にやりくりをしたいものですね。原材料を買って、上手に保存をして、残り野菜や冷蔵庫の残った食材でもう一品作って、最後まで無駄なく食べきるようにしましょう。そして、外食は特別なときにする。し好品は優先順位としては低いものですので、買うべきものを買ってから残った予算で買うようにしましょう。食費の値上げ時はメリハリを心がけましょう。