救急サービスや警察で使われる車両は一刻も速く現場に向かわなければならず、一般車両が道を開けてくれたことだろう。このほど酔っぱらって事故を起こした男が、駆けつけた救急隊員の車両を盗んで逮捕された。『The South African』などが伝えている。

南アフリカ・ケープタウンのミルナートンにあるR27道路のサンセットビーチで6月11日夜10時頃、自動車事故が発生した。白い乗用車は逆さまにひっくり返っており、両車線を塞いでいた。救急隊員や警察官が駆けつけて乗用車から運転手を救出したが、この運転手の男は警察の事情聴取を受けることとなった。しかし事情聴取を終えた男は突然、救急隊員の車両に乗り込んで逃走したのだ。

幸いにも救急隊員は車両の後ろで他の車の誘導をしていたため怪我などはなかったが、ケープタウン法執行機関や南アフリカ警察(SAPS)、武装対応会社らが盗まれた車両にある追跡システムを用いた見事なチームワークで追跡した。そしてカーチェイスの結果、40キロ以上離れたカークベイでようやく男は逮捕された。この男は酔っぱらっており、飲酒運転による罪から逃れようとしたようだが結局、車両窃盗の罪まで問われることとなった。

なお今回、車両をカーチェイスに使われてしまった救急医療サービス「コミュニティ・メディックス(Community Medics)」は、救急医療を無料で提供することを目的として1998年に設立。医師などの専門ボランティア50名以上による運営でまかなっており、主に救急車が到着するまで患者を安定させるなどのサービスを提供している。寄付金だけで運営しているコミュニティ・メディックスにとって救急車両の損失は大きな痛手となるが、幸いにも車両内部の装備は無事で走行などに問題はないとのことだ。現在この車両は警察が押収している。

画像は『Community Medics 2022年6月12日付Facebook「Media Statement - 12 June 2022」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)