いよいよ“学徒出陣”か。

 ウクライナ侵攻から3カ月以上が経過し、ロシアは4月以降、自国の戦死者数について口を閉ざしているが、ウクライナ側は2万7000人に上るとしている。旧ソ連時代のアフガニスタン侵攻では、1979〜89年の間に約1万5000人のソ連兵が死亡したとされるが、これをすでに上回る数字だ。

 そんな中、プーチン大統領は5月30日、ロシア軍によるウクライナ占拠地域や実効支配地域のウクライナ人の孤児らを対象に、ロシア国籍の取得手続きを簡素化する大統領令に署名。親の保護を受けられない子どもの拉致を正当化しようとしている。

 侵攻開始の2月24日以降、ウクライナから子どもだけで約25万人がロシア国内に移動。ウクライナはこれを“強制連行だ”と批判を繰り返しているが、ロシアはいったい何を目論んでいるのか。

 ロシアの国内事情に詳しい識者は言う。

「連行した子どもたちにロシア国籍を与え、幼いうちから洗脳しようとしているのでしょう。また、軍事訓練を課しロシアに忠実な兵士に育てて、いずれ出兵させるつもりでしょうね。今後、戦況が悪化し兵員が不足すれば、その子どもたちが駆り出される可能性も否定できません。もちろん、拒否しようものならシベリアの強制収容所送りになるということです」

 日本でも第二次世界大戦終盤、兵力不足を補うために学生が出征し、多くの若い命が失われた。プーチンの蛮行を止めるためにも、1日も早い終戦が望まれている。

(ケン高田)