仮想通貨の「Terra(LUNA)」の相場が99.99%暴落した上に、LUNAの関連団体・Luna Foundation Guard(LFG)が準備金として保有していたビットコインの使途が不透明と批判されていた問題を巡り、LFGが情報公開を行いました。これにより、約8万BTC(調達した当時のレートで約4520億円相当)あった準備金が、313BTC(約12億3000円)にまで減少していることが分かりました。LFGは、残ったわずかな資産を投資家への補償に用いるとしていますが、焼け石に水との見方が広がっています。

LFG Reserves Dwindle to Just 313 Bitcoins From 80K After UST Crash

https://www.coindesk.com/business/2022/05/16/luna-foundation-guard-left-with-313-bitcoin-after-ust-crash/

What happened to the bitcoin reserve behind Terra's UST stablecoin?

https://www.cnbc.com/2022/05/16/what-happened-to-the-bitcoin-reserve-behind-terras-ust-stablecoin.html

2022年5月10日ごろ、時価総額ランキングトップ10圏内に位置していた仮想通貨のTerra(LUNA)と、LUNAのエコシステムを構成していたステーブルコインのTerraUSD(UST)が暴落しました。この事態に対応するため、LUNAの支援を目的に設立された非営利団体のLuna Foundation Guard(LFG)は、準備金として用意していたビットコインを活用することを発表していましたが、送金先や具体的な使途などの説明が十分でなかったことなどから、批判の声が上がっていました。

99.99%下落した「Terra(LUNA)」のビットコイン積立金が行方不明に、創設者の自宅には不審人物が出没 - GIGAZINE



これを受けて、LFGはTwitterに一連のツイートを投稿し、準備金の額や用途に関する情報を開示しました。それによると、LFGは5月7日の時点で、35億ドル(約4500億円)相当の8万394BTCを保有していたとのこと。



そして、USTのドルとのペッグが崩れ始めた8日から、約5万BTCをカウンターパーティー(取引先機関)に送金しました。これについてLFGは、「大口かつ短期の取引を行えるようにするため」と説明しています。



USTがなおも下落を続ける中、LFGは「ペッグを守るための最後の試み」として、残った約3万3000BTCで直接USTを買い付けます。しかし、仮想通貨の下落に歯止めはかかりませんでした。



こうした対応の結果、LFGの手元に残ったビットコインは、わずか313BTCのみとなりました。LFGはほかにも複数の仮想通貨を保有していますが、その大半は価値が暴落したLUNAとUSTなので、それらを除く残額の合計は約8000万ドル(約103億円)程度とのこと。小さな額ではありませんが、4月時点で時価総額が400億ドル(約5兆1000億円)以上あったLUNAの崩壊に比べると微々たるものです。



LFGは、残った資金をUSTユーザーへの補償に充てるとしており、具体的な分配方法を検討中とのことです。