[画像] 骨伝導イヤホンの価格3,000円台と2万円台の差とは? 音質と性能に違いはあるのか

テレワークに最適との評価が高まっていることから、耳をふさがない骨伝導イヤホンに注目が集まっている。

骨伝導イヤホンは、耳をふさがないため、音楽試聴やWeb会議をしながら周囲の音が聞き取れるので、家人からの話しかけや通販など訪問も気がつくことができる。また耳に装着しないので、長時間の使用でも耳が痛くならないなど、在宅ワークでのメリットが多くある。

テレワーク、在宅ワーク層から人気が高まった骨伝導イヤホンだが、製品ごとの価格差がかなりある。
試しにアマゾンで骨伝導イヤホンを検索してみても、安いものは2千円台から、高いもものは2万円を超える製品まである。

安価な製品と高価な製品とでは、なにが違うのだろうか?

今回は、3,000円台と2万円台の骨伝導イヤホンを比較してみた。


■約2万円もの価格差がある骨伝導イヤホン
今回比較した骨伝導イヤホンは、以下の2製品。
・【GR】骨伝導ワイヤレスヘッドホン B300 BK/ゲオ
・Shokz OPENRUN PRO

【GR】骨伝導ワイヤレスヘッドホン B300 BK/ゲオ(以下、GEO B300)は、GEOオンラインストアでの価格が3,278円(税・送料込)。
リーズナブルな価格ながら、Bluetoothによるワイヤレス接続で、汗に濡れても使用できる程度の防水性能を有するIPX4に対応している。
アマゾンでも販売されており、5段階中、3の評価が付いている。


GEO B300。写真右下のシルバーの丸い部分がボタンになっている

<GEO B300製品情報>
重 さ: 約33g
Bluetoothバージョン:5.0
マルチペアリング:非対応
連続音楽再生時間:約7時間
充電時間:約2.5時間
カラーバリエーション:ブラック、ブルー、レッド
価格:3,278円


一方、Shokz OPENRUN PROは、直販価格が23,880円(税込)。
Shokz(旧AfterShokz)のフラグシップモデルだ。

IP55の防水防滴性能は、
・汗をかきながらのトレーニング
・小雨の降る中でのジョギング
これらの状況での動作に問題がないレベルだ。


Shokz OPENRUN PRO ブルー

<Shokz OPENRUN PRO製品情報>
重 さ:29g
Bluetoothバージョン:5.1
マルチペアリング:対応
連続音楽再生時間:約10時間
充電時間:約1時間
材 料:フルチタン
カラーバリエーション:ブラック、ブルー、ベージュ、ピンク
価 格:23,880円(税込)


■外観を比較

左がGEO B300、右がShokz OPENRUN PROの個装箱

GEO B300の付属品は、
・充電ケーブル(micro USB)
・取扱説明書
・耳栓

Shokz OPENRUN PROの付属品は、
・充電ケーブル
・取扱説明書
・イヤホンケース

GEO B300の取扱説明書は日本語表記であり、充電やペアリングの方法がイラスト入りで詳細に説明されている。


左がGEO B300、右がShokz OPENRUN PROの取扱説明書。Bluetoothのペアリングを説明しているページ


Shokz OPENRUN PROの取扱説明書。右下に日本語の説明が見える

Shokz OPENRUN PROに同梱している取扱説明書は、表面が英語表記、裏面が12カ国語表記されており、日本語での説明がかなり少ないが、詳細な日本語版の取扱説明書がネット経由で入手できる。


上がGEO B300、下がShokz OPENRUN PRO

GEO B300は、
顔との接触部分はゴムで、フィット感が高い。
付属のmicro USBケーブルで充電をする。
市販のケーブルを使用してみたが、問題なく充電ができた。ただし、急速充電はサポートされていない。
約2.5時間の充電で、約7時間の音楽再生が可能。

音量コントロールは、顔との接触部分と反対側にあるシルバーの丸いボタンを使用する。
ボタンは、左右にひとつずつある。
・右ボタンを2回押すごとに、音量が大きくなる
・左ボタンを2回押すごとに、音量が小さくなる
いずれのボタンも、1回押すごとに、一時停止 / 一時停止の解除となる。


Shokz OPENRUN PROは、
ゴムで覆われているが顔との接触部分はプラスチック製。
付属の専用ケーブルで充電をする。
専用ケーブルはマグネットで着脱できるタイプなので使い勝手がよい。
急速充電もサポートされており、5分の充電で約1.5時間、1時間の充電で約10時間
音楽再生が可能だ。

音量コントロールは「+」「-」のボタンで操作できるため、GEO B300に比べると、操作性がよい。


■音質を比較
〇屋内
自室で音楽を聴いてみたところ、2つの製品に大きな差が出た。

GEO B300は、
「音楽を聴く」というよりは、「音楽が流れている」といったイメージだ。高音域はよく聞こえるが、低音域の迫力を感じない。

Shokz OPENRUN PROは、
高音域は申し分ないし、低音域もしっかりと聞こえる。
たとえば、J-POPを聴くと、ベースの低音も十分につたわってくるという印象だ。
通常のイヤホンに近い試聴感が得られる。

しかし、同じ屋内でも喫茶店などの店舗となると少々変わってくる。

喫茶店では、店内で流れる音楽やアナウンス、利用客が立てる音が各段に増える。
正直なところ、GEO B300とShokz OPENRUN PROとの違いは、ほとんどわからない。


〇屋外
屋外で音楽を聴いてみた。
都市部では、
自動車や電車の走行音、キャリーケースを引く音、呼び込みの声、街中の音楽、アナウンスの声などの雑音が多いため、低音域が聞き取りにくい。そのため、2つの製品の音質の差は感じられなかった。

外音の少ない静かな住宅地では、自室で音楽を聴く際と同様に、Shokz OPENRUN PROの音質の良さが確認できる。


■Shokz OPENRUN PROの音質が良い理由
Shokz OPENRUN PROとGEO B300の再生周波数帯域は、どちらも20Hz〜20KHz。
数字上は差がない。

しかし実際の試聴では、Shokz OPENRUN PROのほうが音質面では勝っている。

なぜか?

ひと言でいえば、「技術の違い」だろう。

Shokz OPENRUN PROは、同社の骨伝導イヤホンの中で、フラグシップモデルにあたる。
骨伝導技術としては、最新の第9世代「Shokz TurboPitchテクノロジー」が採用されている。

公式サイトによれば、「2つのコアクッション(バスエンハンサー)をトランスデューサー内部に配置することにより、ビート、声、音のすべてを体感しながら聴くことができる」とのこと。実際の試聴でも、低域の試聴感がよいと実感できた。


Shokz OPENRUN PROの構造


GEO B300とShokz OPENRUN PROの違いをさらにみてみよう。

まずは接触面だ。
Shokz OPENRUN PROの接触面積は、GEO B300より1.8倍ほど広い。
骨伝導イヤホンは、イヤホンの振動を骨に伝えるため、接触面積も音質に影響がありそう。

また接触面の材質も異なっている。
GEO B300の材質はゴム製、Shokz OPENRUN PROはプラスチック製となっている。

さらにShokz OPENRUN PROには、接触面の上下左右に開口部がある。

これらの違いが、聞こえ方や音質の向上に影響を及ぼしていると思われる。


上がGEO B300。下のShokz OPENRUN PROはメッシュになっている部分が通気口


Shokz OPENRUN PROは、各部に工夫がこらされており、それが静かな場所での音質向上に貢献していると思われる。
一方、GEO B300は、静かな屋内での音質差はあるものの、屋外での差はほとんど感じないため、3000円台という価格を考慮すれば、よい製品だと感じた。

Shokz OPENRUN PROは、
・屋内で音質を追求したい人
・急速充電が必要な人
・操作性を重視したい人

GEO B300は、
・屋外でも利用する人
・普段使いのイヤホンとして使う人
・安価で利用したい人
このような用途やニーズで選ぶとよいだろう。

【新品】【GR】骨伝導ワイヤレスヘッドホン B300 NB/ゲオ
Shokz OPENRUN PRO




ITライフハック 関口哲司