ギンビス(東京都中央区)が製造する動物形のビスケット「たべっ子どうぶつ」。シリーズの元祖で、定番の「バター味」には46種類の動物が収録されている。

だが、そのルーツとなったビスケット「動物四十七士」に登場する動物は47種類。「たべっ子」になるまでに、1種類いなくなっていたのだ。

「たべっ子」に加われなかった動物とはなんなのか。ギンビスに話を聞いた。

「何かが絶滅してる...」

「たべっ子どうぶつ バター味」(以下、たべっ子)は「たべっ子どうぶつ」シリーズの元祖として1978年に登場。動物の形をした薄焼きビスケットには、動物の英語名がプリントされている。発売開始以来、ロングセラー商品として親しまれている。

一方、動物四十七士は69年に登場。今も通販サイトなどで販売されていて、パッケージには「たべっ子どうぶつのルーツになった素朴な味わい」と書かれている。「たべっ子」同様、動物形のビスケットに英語名が刻まれているが、こちらは厚焼きタイプだ。

2製品の最大の違いは、登場する動物の数だ。動物四十七士が47種類なのに対し、たべっ子は46種類。「四十七士」から「たべっ子」になる過程で、1種類いなくなっているのだ。

ツイッター上では2021年12月中旬、この違いが話題を呼び「何かが絶滅してる...」「気になる」などの声が集まった。中には「ニホンオオカミ」「犬(居ぬ)」「トナカイ」「七面鳥」など、消えた動物を想像する人もいた。

「耳がやや長く欠けやすいという理由から...」

一体、何がいなくなったのか。J-CASTニュースが12月17日、ギンビスの広報担当者に取材すると、消えた動物の正体は「コアラ」だった。なぜ、コアラは「たべっ子」に加われなかったのだろうか。

「耳がやや長く欠けやすいという理由から、製造が見送られたためです」

なんとも不遇な理由で「たべっ子」入りを逃したコアラだが、21世紀に入ると日の目を浴びる。広報担当者によると「厚焼き」や「チョコがけ」タイプの「たべっ子どうぶつ」が登場したことで、「コアラの耳が欠ける」という製造上の課題をクリアしたのだ。

09年発売の「たべっ子どうぶつ キラキラミルク味」(現在は販売終了)から初めてコアラが仲間入り。現在発売中の「たべっ子どうぶつ チョコビスケット」「厚焼きたべっ子どうぶつ チョコビスケット」でも、コアラを含む47種類の動物が収録されている。