「東京ドラマアウォード2021」の授賞式が27日、都内・グランドプリンスホテル高輪にて開催され、連続ドラマ部門の優秀賞に選ばれたTBS日曜劇場「半沢直樹」(2020年7月期)の演出を務めた福澤克雄が登壇。コロナ禍での撮影を振り返りながら、「続けていけるなら続けていきたい」と続編に意欲を見せた。 

 作品の質の高さ及び、市場性、商業性という視点から「世界に見せたい日本のドラマ」を選出し表彰する本アワードで、連続ドラマ部門・優秀賞に選出された「半沢直樹」。

 2013年7月に放送されたシーズン1は、最終話で42.2%の視聴率を記録するなど社会現象となり、堺雅人演じる銀行マン・半沢直樹の放つ「倍返しだ!」のセリフは、「ユーキャン新語・流行語大賞」の大賞にも選ばれた。福澤は「あれから(続編まで)7年間かかりましたからね」と苦笑いを浮かべると「『倍返し』なんてセリフも死語になっていましたよね」と続編開始時の状況を冷静に振り返る。

 コロナ禍まっただ中での撮影について、「オンエアも本来(2020年)4月の予定が7月に延期され、撮影も大変でした。特に役者さんには接近戦をお願いしていたので、毎回お医者さん、看護師さんに来ていただいて、完璧な感染症対策のなか撮影をしていまいた。20分に1回は換気していて、時間もないなか、ほとんどがテストなしの一発本番。本当にバタバタでした」と裏側を明かした。

 そんなキャスト、スタッフの熱意が実を結び、続編も大きな反響を得た。「元からのキャストはもちろん、新たに加わってくれた(伊佐山泰二役の)市川猿之助さんらもパワー全開で演じてくださいました」と福澤監督は感謝を述べると「まだ原作がないので何とも言えませんが、できれば半沢直樹が頭取になるぐらいまで作っていきたい。続けていけるなら続けていきたいですね」とさらなる続編に意欲を見せていた。(磯部正和)