[画像] オンライン授業も「出席」にすべき - 川名　ゆうじ


　コロナ禍でオンライン授業を実施した場合、指導要録に「出席」とされないことから入試に不利になるのでは、との不安が広がっている。「出席」にすべきではないか。

■オンライン授業は、「出席」でもなく「欠席」でもない

　多くの自治体ではオンライン授業を行った場合は、「出席停止・忌引等の日数」として記録される。学校に登校していない「欠席」ではないのだが、「出席」した日数は少なくなるので、入試などではどのような判断になるかは分からない。

　この不安の声が大きくなったこともあってか文部科学省は、令和３年10月１日付で「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における指導要録の「出欠の記録」における記載事項の取扱いについて」を出し、オンラインを活用した特例の授業を実施したことを「出欠の記録」の「備考」の記載事項に記録するように通知した。

　また、文部各省のサイトにあるQ&A（学校設置者・学校関係者の皆様へ）を変更し、非常時にオンラインを活用して実施した特例の授業等の記録を学年ごとに作成することとしています、とした。

　オンライン授業は、
�� 同時双方向型のオンラインを活用した学習指導
�� 課題の配信・提出、教師による質疑応答及び児童生徒同士の意見交換をオンラインを活用して実施する学習指導（オンデマンド動画を併用して行う学習指導等を含む）
　としており、動画の視聴も授業としていることは注目したい。

　動画視聴のことは別の機会にするとして、オンラインでの授業があったことを記録することで、授業はあったことを、いわばアリバイ的に残すことにしたのだろうか？


■関わり合いは重要だが、できないこともある

　　通知には、「学校教育は教師と児童生徒との関わり合いや児童生徒同士の関わり合い等を通じて行われるものであり、上記通知における出欠の取扱いを変更するものではありません」とわざわざ書かれていた。

　関わり合いが重要なことは理解しており、必要と考えるが、コロナなどで関われない場合や関わることができない子どももいることも考えなくてはならない。

　こうでなければならない、と決めてしまうのではなく、子どもにとって最善は何か、その需要方法は何かで考えるべきだ。オンライン授業もその一つとして「出席」となる授業にすべきではないか。

　文部科学省は、不登校児童生徒への支援として、オンライン授業を「出席」にすることは可能と通知しているのだから、コロナなど他の条件でのオンライン授業でも同じと考えるべきだ。

■出席にしている例もある

　オンラインで行ったとしても授業は授業。大学などでは年間をオンライン授業にしているケースもあるのだから、「出席」と認めるべきだ。

　ちなみに、教育家庭新聞によれば、大阪府寝屋川市、福岡市、北九州市、熊本市、東京都港区立青山小学校ではンライン授業で出席扱いにしているという。自治体ごとや校長判断ではなく、文科省として認めるべきであり、そこまですぐにできないのであれば、多くの自治体教育委員会として認めていくべきだ。

※画像は、通知の記載例より
※写真はイメージ

【参考】
教育家庭新聞　オンライン学習・授業の「出席停止・忌引等」対応は不利益になるか〜文科省がFAQ追加

文部科学省　Q&A（学校設置者・学校関係者の皆様へ）