2021年10月19日に公示された衆院選では、アイドルグループ「モーニング娘。」元メンバーの市井紗耶香氏も街頭演説で立憲民主党候補の応援に立った。この日は、神奈川県と東京都の多摩地区、計3か所で演説。「今回の衆院選は、ウソをつかない人を選んでいただきたい」などと訴えた。

市井氏は22年夏の参院選に出馬予定。今回演説したのはいずれも激戦が見込まれる選挙区で、自らの選挙の9か月ほど前から党の「空中戦」の一翼を担っている。

激戦区に戦略的に投入?

市井氏は選挙戦初日、神奈川4区の鎌倉駅前(鎌倉市)で第一声をあげ、神奈川7区のイトーヨーカドー 綱島店前(横浜氏港北区)、東京23区の永山駅前(多摩市)の計3か所で演説した。

神奈川7区では、立憲から立候補している中谷一馬氏の出陣式に出席し、約3分20秒にわたってあいさつした。市井氏は4人の子どもを育てていることに言及した上で、子育て世代にとってのコロナ対策が機能しなかったことを批判した。

「今この日本の世の中で、子育てをしていくことの本当の大切さ、大変さ、これは当事者になってみないと分からないかもしれない。ですが、この1年半、皆さんどうでしたか?このコロナの中で、大切なことに、皆さん気付かされたんじゃないでしょうか?」

その上で、中谷氏を「正直者」だと紹介しながら、

「今回の衆院選は、ウソをつかない人を選んでいただきたいと思っています!」

などと訴えた。

神奈川7区では、自民党の鈴木馨祐・元外務副大臣も立候補している。前回17年の衆院選では、鈴木氏が10万3324を得票したのに対して中谷氏の得票は8万7819票。中谷氏は比例復活で初当選した。さらに希望の党(当時)の候補者は2万8685を得票していた。今回は与野党一騎打ちの構図だが、接戦になるのは確実。党本部としては、激戦区に戦略的に市井氏を投入しているとみられる。

10月20日には千葉7区、千葉13区の応援に入る予定だ。

2022年夏の参院選に出馬予定

市井氏は19年7月の参院選に旧立憲の公認を受けて比例区から出馬したが、次点で落選。落選後は市民団体などと一緒に政策づくりなどに取り組む党内組織「つながる本部」のコーディネーターとして活動していた。21年8月、22年夏の参院選に比例区の公認候補として出馬することを発表し、記者会見では

「空中戦だけではなく、各地の候補者の方を含め、各地域の議員の方も一緒に回っていければ」

と話し、各地の応援に入る考えを明らかにしていた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)