小中学生向けアクセサリー雑貨を販売するサン宝石(山梨県中央市)の民事再生法申請を受けて、子供時代を懐かしむネットユーザーから続々と応援の声が集まっている。

高くても数百円程度という手ごろな値段で手に入るファンシーグッズや、オリジナルキャラクター「ほっぺちゃん」で人気を博した。

事業継続するも、直営店は閉店へ

信用調査事業を行う帝国データバンクが2021年8月30日、サン宝石が27日に甲府地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けたと発表した。

サン宝石は1965年創業。少女雑誌の広告でも知られる。発表によれば、2002年より直営店を全国44店舗に展開していた。2010年に誕生した「ほっぺちゃん」の人気も相まって、13年9月期の売り上げは約42億6400万円だった。

その後、「ほっぺちゃん」人気の低迷や他社との競合により直営店は順次閉鎖、ウェブ販売への切り替えを図るも売り上げは下降の一途だったという。サン宝石公式ツイッターによると、最後に残る直営店「サン宝石ファンシーポケット原宿店」も21年9月26日に閉店する。

負債総額は約21億7000万円。現在はスポンサー候補先への打診を開始し、事業は継続。「サン宝石 在庫大放出セール」を開催する予定だとする。

発表を受けて、サン宝石公式サイトにはアクセスが集中。8月30日昼過ぎには一時、商品の購入ページも含めて、サイトの表示に時間がかかる状況となっていた。ツイッターでは、「サン宝石」がトレンド入りしたほか、

「久しぶりにサン宝石買うか!!」
「待ってろ!!!!!今助けるからな!!!!!!!!!!」
「お助け隊に参戦しようとしたけどサーバー重たすぎて開かん」
「かつての少女たちがみんな立ち上がってるんだなぁ」

などと、商品を購入して同社を応援しようとする声が上がっている。

「皆様のお心遣い、感謝いたします」

サン宝石は同日に公式ツイッターで「ご心配をおかけし、大変申し訳ございません。今後も変わらず営業を続けてまいりますので今まで以上に応援していただけますと幸いです」と投稿。続くツイートでは、「サイトへのアクセスがしづらい状態になっておりますので、少し時間をおいてアクセスいただけますと幸いです」と伝えたうえで、

「皆様のお心遣い、感謝いたします」

ともつづった。

公式サイトでは23日から「14日間ず〜と1円セール」(2300円以上の注文で1円商品が8点まで購入可能)が開催中。同サイトの「よくある質問」では安さの理由について、

「サン宝石のお客様は小中高生の女の子。
かわいい商品は大好きだけど、お小遣いには限りがあります。
だからサン宝石は『安くてかわいい商品』にこだわります」

と伝えている。