五輪警備隊に日々配られているというお弁当。見事に揚げ物ばかりだ

「大部屋の密室状態なので、ひとりでも感染したらクラスターが発生しかねません。それなのに、ほとんどの警察官がワクチンを1回だけしか接種できていないんです」

 そう語るのは、五輪警備にあたる警察官の関係者Aさんだ。

 東京五輪の警備を担うため、各府県警から機動隊員たちが集められており、大会期間中、彼らは選手村近くに急造されたプレハブ宿舎に寝泊まりしながら任務にあたっている。

 本誌はそのプレハブ宿舎での暮らしについて、800人いるのに洗濯機やシャワーは8つだけ、テレビもない部屋で8人が暮らし、就寝中もマスクを着用するという過酷なものであることを報じたが、上述のように「新型コロナの感染対策すら不十分だ」という。

「ワクチン接種の2回めは、開会式が終わってからになるので、本当に打てるのかわかりません。今のところ、五輪警備をする警察官の間でコロナの感染者が出ているという話は聞きませんが、抗原検査やPCR検査がおこなわれているわけでもないので、不安はありますよ。彼らがクラスターになったら、国民から苦情の電話が殺到するでしょうね」(同)

 もっとも、彼らはコロナに罹る以前に「元気が出ない」という。

「行動制限が厳しく、休日に外出できる場所も近場のスーパーやコンビニ程度です。勤務中は弁当が支給されるのですが、揚げ物ばかりでおいしくないんです。しかも警備中に、通行人の方に『県をまたぐ移動自粛といわれているくせに、他県から来るな』と怒られる始末。“我々はまるで特攻隊員だ”とぼやいています」

 コロナ禍での開催なのに、あまりに準備不足な東京五輪。大会期間中もトラブルは続きそうだ。