2021年5月28日(金)をもって解散することを発表している赤い公園のラストライブ“赤い公園 THE LAST LIVE 「THE PARK」”が本日、東京・中野サンプラザにて開催された。
津野米咲(g)とも親交が深かった、小出祐介(Base Ball Bear)、キダ モティフォ(tricot)、堀向彦輝 a.k.a. hicoの3名がサポートとして迎えてのライブとなった。正真正銘本日が赤い公園のラストライブ、その始まりを告げたのは「ランドリー」。
石野(Vo.)の歌声、藤本のベース、歌川のドラム、そしてサポートとして参加した小出祐介(Base Ball Bear)のギターが奏でる音で、本日限りの赤い公園サウンドを作り出す。「消えない」、「ジャンキー」、「Mutant」と立て続けにアップナンバーを披露し、会場の空気を自分たちの色に染めた。そして「紺に花」からは、堀向彦輝 a.k.a. hicoがキーボードとして加わり、更にサウンドに彩りを加えていく。
最初のMCでは、「改めまして赤い公園です。」という挨拶に続けて、今回サポートで参加してくれているミュージシャンの面々を紹介。ここからギターは小出祐介からキダ モティフォにバトンタッチし、石野が「準備良いですか。」と声を張り上げながら、暗がりで艶美な照明の中「絶対的な関係」を披露。
間髪をいれず、「絶対零度」へと続き、ボルテージを上げていく。ラストシングルに収録されている「pray」では石野の優しい歌声が響き渡り、その後MCへ。
石野から「私たち赤い公園は本日・5月28日をもって解散することになりました。米咲さんが亡くなって私たち3人本当に色々考えて、赤い公園には津野米咲という存在がいなければいけないというのが3人の納得する結論でした、皆の総意で決めました。」と解散発表の経緯を伝えつつ、「皆さんにはこの場が楽しいなって思って頂けたらそれだけで嬉しいです。」と続けた。
ステージに置いている津野が一番最初に買った「白田トミ子」と名付けたギターを紹介しながら、石野、藤本、歌川の3人だけのアコースティック編成パートへ。
石野の歌声と歌川のアコースティックギターから始まり、藤本のアコースティックベースが彩りを加える「衛星」からスタートし、「Highway Cabriolet」、「Yo-Ho」とそれぞれが普段の編成とは違う楽器を奏でながら、赤い公園というバンドの音楽的なスキルの高さを魅せていく。
続いてメドレーパートへ。「今更」、「のぞき穴」、「西東京」、「ナンバーシックス」、「闇夜に提灯」を立て続けに披露し、先程のアコースティックパートからガラリと雰囲気は変わり、様々な表情を魅せるVo.石野の表現力の高さが光る。
そこから続けざまの「KOIKI」と「NOW ON AIR」で会場のボルテージは最高潮へ。
本編最後のMCでは、メンバーそれぞれがファンの皆さんに向けてメッセージを送る。
藤本は「軽音楽部の視聴覚室から始まって、自分たちが始めたものがこんなに大きくなるなんて、昔の自分に言ってあげたいです。色んな人に助けられながら、いっぱいベースが弾けました。」と述べた。
そして、歌川は「私自身が赤い公園の曲に救われ、助けられ、本当に色々あったけど、米咲が作る曲が大好きで、ずっとやってきました。本当にたくさんの人に支えられて今日を迎えられました。本当にありがとうございました。」と続けた。
最後に石野が「私は赤い公園の音楽をしているときの楽しい雰囲気に魅了されて、赤い公園に入りました。年下のワタシを受け入れてくれたファンの皆さん、メンバーにも感謝しています。赤い公園としては最後のライブになってしまいますが、またどこかでお会いしたいなと思うくらい楽しいライブでした。皆さん本当にありがとうございました。」と締め、ラストシングルとなった「オレンジ」を披露。
今の本人たちに重なるような歌詞も相まって、印象的な本編最後となった。
「アンコールありがとうございます。」と改めて登場し、「KILT OF MANTRA」を披露。観客の拍手とともに、堀向彦輝 a.k.a. hicoによる印象的なピアノリフが鳴り響く。サポートのメンバーにも一言ずつメッセージを貰いながら、続けての「黄色い花」では、ドラムインとともに金テープが宙を舞い、会場を金色に彩って花を添えた。
アンコール最後は「凛々爛々」。石野が「12年間お世話になりました。ありがとうございました。」と感謝を述べ、全員が一つになって、ラスト1曲を噛み締めながら走り切った。
2時間半に及ぶラストライブ、メドレー含む全29曲を披露し、大団円の中、バンドは歴史に幕を下ろした。本公演は、配信プラットフォーム『Stagecrowd』にて5月30日(日)00:30までアーカイブ視聴が可能で、視聴チケットは5月29日(土)18:00まで購入可能となっている。