5月7日、政府は東京など4都府県に出している緊急事態宣言の期限を5月末までに延長することを決定した。

これ以上の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、多くの人々が“我慢”を強いられるなか、自民党の重鎮たちが発起人に名前を連ねる大型パーティの計画が進行しているという。

催しの名称は《池口恵観大僧正 宿老就任祝賀会(※恵観は旧字)》。すでに発送されている招待状には、6月4日18時半から東京・千代田区内にある超一流ホテル、7月29日の18時半から京都市内の超一流ホテルで開催予定となっている。

ちなみに千代田区内のホテルのHPによれば会場は、正餐なら1,000名以上、立食なら2,000名以上の収容が可能だという。

招待状のあいさつによれば、池内氏が就任した“宿老”とは、高野山真言宗では最高位の役職だという。

《宿老とは 高野山真言宗を大所高所から見守り 時には進言・建言する最高位の役職であり 誠に光栄なことと感激すると同時に その重責に改めて威儀を正しているところでございます》

多くの政治家との交流があることから“永田町の怪僧”というあだ名もある池口氏。招待状に記載されている発起人たちはそうそうたるメンバーだ。その一部を紹介すると……

元内閣総理大臣 小泉純一郎
前内閣総理大臣 安倍晋三
自由民主党幹事長 二階俊博
自由民主党国会対策委員長 森山裕
慶應義塾大学名誉教授・元国務大臣 竹中平蔵
ジャーナリスト 櫻井よしこ

政治評論家の有馬晴海さんはこう語る。

「池口恵観氏は鹿児島県出身の僧侶です。もともと鹿児島県の議員からの紹介で、中央政界への人脈を広げていきました。例年、6月は政治家たちのパーティも多い時期ですが、さすがに今年は自粛ムードにあります」

■祝賀会では疫病退散の祈祷も!?

招待状の発送日は“4月吉日”となっているが、東京では4月25日からは緊急事態宣言が発令されている。

順調にいけば6月上旬は緊急事態宣言期間外ということにはなるが、招待状を受け取った人間たちのなかでも、「コロナ禍の終息が見えないなか、本当にパーティを開催するのか?」「国民たちが多くの不便に耐えているのに、政治家たちは何を考えているのか!」と、疑問や怒りの声も上がっているのだ。

そこで、5月7日に祝賀会事務局に問い合わせてみた。

――池口先生の祝賀会ですが、日程の変更などは検討していないのでしょうか?

「予定通りに開催します」

――緊急事態宣言も5月末まで延長されますが?

「会場では間隔を空けて着席するようにしています」

――どのぐらいの方が出席するのでしょうか?

「まだ余裕はありますが、(席は)埋まってきています」

――参加を取りやめる発起人はいないのでしょうか?

「いえ、変更はありません。多くの方たちに恵観の祝賀に賛同いただければ幸いです」

もちろん、池口氏もコロナ禍を意に介していないわけではないようだ。招待状にはこんな文面も書かれていた。

《この祝賀会の席では 私が皆さま方に 真言密教の秘法と言われる疫病退散の祈りをさせていただきます この祈りが日本が新型コロナ禍の苦界から解放されるきっかけになればと願っています》

自民党の重鎮たちには“疫病退散の祈り”に頼るばかりではなく、コロナから日本を救うための舵取りをもっとしっかりとお願いしたいものだ――。