免許を返納するため、埼玉県警本庄警察署に赴いた清水章吾

 2021年3月のある日。かつて、チワワと共演した「アイフル」のCMでブレイクしたベテラン俳優・清水章吾(78)は、埼玉県の本庄警察署にいた。

「運転免許を返納しにきたんですよ。運転には自信があるけど、年齢も年齢だし、(自宅は)駅も近いし。それに、生活保護受給者は基本的に車を持てないですから」

 清水は2019年12月、『週刊新潮』で元妻・ハルマンさん(70)と連れ子の絹子さん(46)から、40年にわたるDVを告発された。報道直後、睡眠導入剤を大量に摂取し自殺を図るも、一命をとりとめた。

 ハルマンさんに家を追い出された清水は、現在、本庄市の古アパートで独り暮らしの身。生活保護を受け、日々を過ごしている。この日、運転免許証を警察署に返納し、50年あまりとなるドライバー歴に終止符を打った。

「スッキリしました。まだ運転したい気持ちはありますけど……。ただ、自殺未遂して入院したあたりから、もう車は危ないんじゃないかという気持ちも出てきました。近視と乱視と老眼で、視力がだいぶ弱くなっているのも決断の理由ですね」

 ハルマンさんに家を追い出されるまで乗っていたのは、トヨタのパッソだが、すでに手元にはない。また、若かりしころは何台も車を買い替え、乗り回してきた。

「もともと車は大好きで、これまでの所有台数は29台になりますか。最初は日産・サニーで、アルファロメオ、BMW、ポルシェ、ベンツ……それはもう、いろいろな車に。ポルシェ911でスピードを出しすぎて、原宿で捕まったこともありましたよ(笑)」

 今はドライブの代わりに、SNS上でのファンとの交流がいちばんの楽しみになっており、密かな恋愛の話もあるという。

「じつは『章吾さん、もしよかったら、あなたを看取ってあげたい』と言ってくれる40代の女性の方もいるんです。『今のままだと孤独死になって、お墓も立てられないかもしれないから、私が拝んであげる』と。

 本当に嬉しいですよ。でも、その方が遺された後のことを考えると、まだ私から『全面的にお願いします』といえる状況ではないです」

 同じように声をかけてくれるファンはたくさんいるという。「まだまだやれる」と語る清水の目は、真剣だ。

「騒動からずいぶん経って、精神的には落ち着いていますし、吹っ切れました。発生練習や腹筋などのトレーニングも続けています。本格復帰してギャラが入るようになったら、再婚の話も真剣に考えたい。私にも俳優・清水章吾としてのプライドがありますから」

 心の支えになっているファンのためにも、テレビで活躍する清水の姿を見たいものだ。