SNSのユーザーの中には多くの注目を集めるために、見境いなしの行動をとってしまう人も少なくない。このほどブラジルの美容外科医が、患者の身体から吸引した脂肪などを手に持ってダンスする動画をSNSに投稿したことで問題視されている。『New York Post』などが伝えた。

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ブラジル、サンパウロ州の美容形成外科医カレン・トリフォリオ・ガルシアさん(Caren Trisoglio Garcia)が、今月から約半年間ほど医師免許を一時取消処分にされた。理由はカレンさんが最近、ショート動画共有アプリ「TikTok」に投稿した動画が問題だったことによる。

カレンさんはTikTokアカウントに64万人以上ものフォロワーを持つ注目の美容形成外科医だが、彼女が投稿した問題の動画には、患者の身体から切除した皮膚や吸引した脂肪の入ったビニール袋を手に持ってダンスする姿が捉えられていた。

また動画の中でカレンさんが皮膚をカメラに向けて見せるシーンがあるのだが、そこには「今日の戦利品」とキャプションがつけられている。他にも吸引した脂肪に「これは胸」「これは脇の下の脂肪」と説明する言葉が添えられていた。

カレンさんの動画はガイドラインに違反しているとしてTikTok側によって削除されたようだが、ブラジルの地元メディア『Metrópoles』がこの動画をTwitterにシェアした。動画を見た人たちからは、「倫理の欠如だ」「客寄せのためだったんだろうけどやり過ぎでしょ」といった非難の声があがっている。

動画はブラジル形成外科学会が知るところとなり、同学会では「非倫理的である」と非難し、今月8日からカレンさんの医師免許を一時取消処分にすることを決定した。

同学会によると「患者の明確な許可があったとしても身体の一部、または施術前後を撮影した写真や動画の公開は禁止されている」として、カレンさんの動画はこれに違反していると判断したようだ。

現在、同学会はカレンさんの行動について調査中とのことだが、これが医療上の違法行為として有罪と見なされた場合、彼女の医師免許ははく奪されるという。

画像は『Metrópoles(de) 2021年4月10日付Twitter「Cirurgiã é suspensa após compartilhar vídeos com pele de pacientes」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)