毎日1億3000万人がアクセスするアダルトサイトのPornhubが2020年の「トラフィック分析レポート」を公開しました。世界中のユーザーがどのようなテクノロジーを使ってPornhubにアクセスしているかが詳細に解説されています。

The Pornhub Tech Review - Pornhub Insights

https://www.pornhub.com/insights/tech-review

◆OSごとの検索結果

Pornhubで検索された単語をAndroid・iOSごとに集計したランキングが以下。単語の横に記された数値は、「他OSに比べた検索数の多さ」となっており、例えばAndroidの1位の「Japan(日本)」に記されている「+112%」という数値は、「iOSに比べてAndroidの検索数が112%多い」ということを意味しています。Androidのランキングは、「Japan」「pokemon(ポケモン)」「giantess(巨大娘)」「3d」「furry(動物擬人化)」となっており、Androidユーザーは日本に関連したアダルトコンテンツを好んでいるようです。一方、iOSの場合は1位が「car sex(カーセックス)」。2位以下は「fat ass(デカケツ)」「fingering(指技)」「vibrator(バイブレーター)」「college(大学)」でした。AndroidユーザーとiOSユーザーで、好みが全く共通していないことがわかります。



同様に、AndroidユーザーとiOSユーザーが好むカテゴリを比較したランキングが以下。iOSユーザーに比べてAndroidユーザーが特に好んだのは、「Uncensored Hentai(無修正 ヘンタイ)」でした。なお、ヘンタイは海外では「アダルトアニメ」を意味する単語として用いられており、そこから転じて「アニメ・マンガ・ゲームなどを元ネタとしたポルノ」などにも用いられることもあります。2位以下は「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」「Small Tits(貧乳)」「Cosplay(コスプレ)」「Webcam(ウェブカメラ)」。iOSのランキングは、「Lesbian(レズビアン)」「Ass(お尻)」「Popular w/ Woman(女性に人気)」「Latina(ラテン系)」「Solo Male(男性単独)」でした。



WindowsとmacOSを比較した結果が以下。Windowsでは「Cartoon(カートゥーン)」が1位、macOSでは「Popular w/ Woman(女性に人気)」が1位でした。



◆デバイス

2020年にPornhubに訪れたユーザーの使用しているデバイスの内訳が以下。80%がスマートフォン、15%がPC、4%がタブレットを使ったアクセスでした。スマートフォンでのアクセスは前年に比べて4.7%増加しましたが、PCは5%減、タブレットに至っては29%減という著しい減少傾向を見せています。



国別で見た場合、モバイルからのトラフィックがさらに大きい国もありました。アメリカからのトラフィックのうち、スマートフォンの占める割合は83%、PCの割合は13%で、フィリピンに至っては、スマートフォンが93%を占めました。一方、日本はスマートフォンからのアクセスは73%、PCからは20%とスマートフォン使用率はやや低め。PCからのアクセスが特に多かった国は、ドイツ(26%)、ロシア(25%)、オランダ(24%)でした。



Pornhubのアクセスを分析すると、世界各国でAndroidとiOSのどちらが優勢なのかもわかります。以下はiOS系デバイスを緑色に、Android系デバイスを青色に塗り分けた世界地図。北米やオーストラリア、イギリス、北欧、そして日本ではiOS系デバイスが多数派を占めましたが、過半数以上でAndroid系デバイスが多数派という結果でした。



◆ウェブブラウザ

スマートフォンのブラウザについては、Android系デバイスでデフォルトに指定されていることが多いChromeと、iOS系デバイスのデフォルトブラウザであるSafariが勢力を二分しました。しかし、前年度比で見るとChromeのシェアは5.4%増加したのに対し、Safariのシェアは1.1%減でした。Opera Miniは前年度比でおよそ1.3倍という著しい伸びを見せましたが、トラフィックベースで見た場合には0.8%増と、元々のシェア自体が低いため伸びが過大に見えていると指摘されています。



一方、PCにおけるブラウザのシェアが以下。過半数を超える53.2%を占めたのは、Google製ウェブブラウザのChromeでした。2020年の2位を獲得したのはSafariで、前年度比でおよそ2倍となる18.4%。急激にシェアを伸ばしたのは、Apple製PCの利用者数が大幅に増加したことが背景にあるとのことです。



◆OS

スマートフォンのOSは、Androidが52.9%、iOSが46.8%、その他のOSは0.3%という結果でした。しかし、前年度からの伸びに目を向けるとAndroidは14%増、iOSは11%減と明暗がくっきり分かれた形です。



一方、PCはWindowsが66.6%と一強を維持。しかし、2位のmacOSは前年度比でおよそ1.5倍という驚異的な伸びを見せ、26.1%というシェアに達しています。2019年にはWindowsが76%、macOSが16%だったため、「WindowsのシェアをmacOSが食った」ことが明白です。



◆モバイルOSのバージョン

モバイルOSのバージョンで見た場合が以下。2020年7月にリリースされたAndroid 11のアクセスは1.3%と、Android OSの更新が進んでいない現状が明白。一方、iOSの場合は73%が2020年9月にリリースされたiOS 14を使っていました。