元飼い主にアパートに置き去りにされたピットブルが保護され、里親の女性から愛情をたっぷり受けた後、新しい家族のもとに引き取られた。ピットブルは餓死寸前で、保護されなければ命の危険があったという。『The Dodo』『Bored Panda』などが1頭の犬の見事な変身ぶりを伝えた。

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米アリゾナ州のアパートで昨年9月、メスのピットブル“デナーリス(Daenerys)”が犬小屋に入れられたまま放置されているところをカギを取り換えにやってきた家主によって発見された。

メスのピットブルの平均体重は少なくとも37ポンド(約16キロ)と言われるなか、デナーリスは24ポンド(約10キロ)しかなく、引き取りにやってきた里親のタラさんは言葉を失った。

デナーリスは痩せて骨が浮き出ているだけでなく歩くのもやっとで、犬の里親として10年以上の経験があるタラさんでさえ「これまでに見たことがない」とショックを受けるほど酷い状態だったのだ。

タラさんは「デナーリスはアパートのバスルームの隅にじっと座っていました。でも驚くことに、近づいた私に尻尾を振ってきたのです」と当時を振り返り、その後のデナーリスの様子についてこのように語った。

「家に連れて帰ってからは、デナーリスをブランケットにくるんでベッドで休ませました。最初の数日間は頭を持ちあげることさえできず、ほとんどの時間をベッドに横になって過ごしていました。」

「デナーリスは元飼い主に酷い仕打ちを受けたにもかかわらず、私たちを怖がったり威嚇することもなく、身体を撫でようとすると頭を近づけてきました。私はそんなデナーリスが愛おしく、『もう大丈夫。長い爪はすぐにお手入れしてあげるから。体重も元に戻そうね』と話しかけ、精いっぱいの愛情を注ぎました。」

「デナーリスに力が付いてきたのは5日目で、それからはどんどん本来の姿を見せてくれるようになりました。平均以下だった体重も一日に1ポンド(約450グラム)〜2ポンド(約900グラム)ずつ増え、デナーリスの体重は26キロになったのです。」

こうしてデナーリスに体力が付き落ち着いてくると、タラさんは「この子を引き取ってくれる子を探しています」とSNSで呼びかけた。また動物専門メディア『The Dodo』がデナーリスのストーリーを取り上げて動画を紹介し、これを見たコロラド州のジャスティンさん(Jsutine)が「是非我が家に迎えたい」と名乗りをあげたのだった。

ジャスティンさんは「デナーリスに会うまでの数か月間、私はずっと犬を探していたのですが、自分にぴったりの子は見つかりませんでした。タラさんは『もし引き取りたくなければそれでも構わないので、一度デナーリスと会ってみませんか』と言って、アリゾナ州からコロラド州まで車でやってきたのです。タラさんには本当に感謝しています」と語ると、次のように続けた。

「私はデナーリスを一目見て、その場で引き取ることを決めました。その頃の私は、アルコール依存症でどうしようもない夫と別れたばかりで人生に疲れていました。でもデナーリスは私に生きる喜びを与えてくれたのです。デナーリスはタラさんに助けられましたが、私はデナーリスに救われたのです。」

ジャスティンさんはその後、デナーリスに“ミス・ディ(Miss D)”という名前を付け、Instagramに普段の様子を投稿している。デナーリスはぬいぐるみやおもちゃで頻繁に遊び、車でお出かけしたり広い空き地を走り回ることが大好きで、ホームセンターなどに行くと「私を撫でて」と周りにいる人たちに甘えるそうだ。保護されてから6か月、ミス・ディの表情はとても穏やかで自信に満ちている。

画像は『Bored Panda 2021年3月23日付「This Underweight Pit Bull Was Found In An Abandoned Apartment, But Her Fortune Has Turned, And Now She’s Safe」(Image credits: rescuedpittie)(Image credits: The Dodo)(Image credits: tarasfostersaz)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)