新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一部の都府県に緊急事態宣言が再び出されることとなった。日本人はもともと衛生面で良い習慣が身についており、ルールをよく守る国民であることから、新型コロナウイルスの早期抑制に期待していた人は多かったのではないだろうか。中国メディアの今日頭条は15日、「新型コロナの感染拡大で、日本の神話が崩壊した」とする記事を掲載した。

 記事は、これまで中国人のみならず世界中の多くの人が、「日本人は法律やルールをきちんと守るため、日本は緊急事態に対して効率的に対処できる」との希望を抱いていたと紹介。実際に、中国のように死角がないほど街中に監視カメラを設置して監視しなくても、きちんとルールを守る日本人は多いと言えるだろう。

 しかし、民度が高いはずの日本人がいまだにコロナを抑えられないため、中国では日本に失望した人もいるようだ。なぜ日本は感染拡大を止められないのだろうか。記事は、強制力がなく「あくまでもお願い」に留まる日本政府の自粛要請は、「性善説の上に成り立つものであり、甘すぎる」と指摘。法律で罰することができない以上、「無視されたらどうしようもない」からで、日本に帰国後、「公共交通機関を利用しない」ことや「自主隔離」を守らない日本人もいると伝えた。

 中国では、最近一部の地域で再び多くの感染者を出したとはいえ、全体的にはよく抑え込んでいるとされ、強制的な措置をとった中国政府の対応を称賛する中国人は多い。問題ももちろんあったが、欧米の状況と比較して現在の結果を満足しているようだ。記事に対するコメントを見ると、「世界中でも中国だけが最も良く抑え込んでいる」との自画自賛があった。

 また、規律性や民度とは関係なく日本と中国とでは「政治体制が違う」と指摘する人がいたが、まさにそうだろう。中国のような強権的な方法は日本では行うことができず、権利を無視するようなやり方には議論の余地があるはずだが、中国では議論すら許されないのが現状だ。

 大多数の日本人の民度と衛生概念が高いことに違いないが、政府も休業要請や入院勧告に応じない場合の罰則導入を検討しているとも報じられている。様々な事情もあるだろうが、個人の自覚だけで感染拡大を防ぐのは難しい段階になってしまったのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)