11月3日に「グッとラック!」(TBS系)で放送された、アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」をめぐる特集が物議を醸している。

番組では「『鬼滅の刃』ハラスメント」を「キメハラ」と称して、まだ作品を見ていない人などを不快にさせる行為を紹介。

例えば、「鬼滅まだ見ていないの?」「見ようよ」といった押し付け。他にも「鬼滅がダメな人っているんだ」といった嗜好の否定や、「鬼滅に興味ない」と言えない雰囲気を作ることを指すという。

Twitterでは、「キメハラ」がトレンド入りするほど話題に。一部では理解を示す声が上がった。

《私、まさにこれだ。職場でよく鬼滅の刃まだ見てないの? 見た方がいいよってほぼ毎日のように言われる。見てって言われると逆に見たくなくなるんだよな》
《これと全く同じ扱い受けてる……w 助けてください》
《私も最近周りからよくこんな感じで言われてて正直げんなりしてたけど、これキメハラって言われてるのか……作品自体に罪はないのにね ハラスメントとまでは思わないけど趣味の同調圧力は勘弁して欲しいかな》

公開から17日間で観客動員1,189万1,254人、興行収入157億9,936万5,450円を記録するほど大ヒットした本作。各業界の企業ともコラボレーション展開され、多くの芸能人がコスプレを披露するなど社会現象化している。

吾峠呼世晴氏による「鬼滅の刃」は、16年2月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載がスタート。19年4月に深夜枠でアニメ放送され、瞬く間に人気となった。劇場版も破竹の勢いでヒットし続けているが、初見でも楽しむことができるのだろうか。

「『無限列車編』は、テレビアニメの続きから始まっています。原作コミックでは、7・8巻で描かれた内容です。確かに初見でも迫力あるバトルシーンや美しい背景など、クオリティの高い映像美を堪能できます。ですが事前にコミックやアニメを見たほうが、キャラクターやストーリーをより理解できるでしょう。ただアニメは全26話もありますし、予習するには時間もかかります。興味が薄い人にはハードルが高いかもしれません」(映画誌ライター)

いっぽう「ハラスメント」は特定のものを対象とするのではなく、「パワー」や「カスタマー」といった言葉と組み合わせて使われることが多い。そのため、番組が「キメハラ」という造語で紹介したことに批判が広がっている。

《好みは好み、人それぞれ。押し付け、良くない。だけど、こんな言葉を使うのも作者がかわいそう。誰も得しない》
《「特定作品+ハラスメント」みたいな表現ってテレビ局がしてもいいのかどうかは気になる。鬼滅の刃という作品が悪いわけではないからね。流行作品を見ていない人間に対する見下し行為が問題なのだから》
《鬼滅の刃に限らないぞ、コレ。鬼滅の刃が大きくなりすぎてこういっているだけで、こんな感じの事は昔からずっとある。面倒くさい人たちとして。こういう造語はいらんよ。キメハラとか》