カナダで昨年、家族4人を殺害して逮捕された男の聴聞会がこのほど開かれ、事件当時の殺害動機など新たなことがわかった。男は家族に大学へ通っていると見せかけて、毎日のように街をぶらついていた。そして秘密を隠し通すために家族全員を殺害したことが明らかになった。『Mirror』『The Star』などが伝えている。

昨年7月にカナダのオンタリオ州マーカムにある住居で、家族4人が殺害される事件が起きた。殺害したのはその家に住む息子のメナーズ・ザマン(Menhaz Zaman、24)だった。

今月26日にオンライン会議システムのZoomを介して聴聞会が開かれたが、メナーズの殺害理由や当時の状況が明らかとなった。

メナーズの家族は殺害される直前まで、彼が州立のヨーク大学で電子工学を学んでいるものと思っていたようだ。しかしメナーズはヨーク大学ではなく、オンタリオ州にあるセネカ・カレッジの電子工学部に通っていた。しかも成績が著しく悪かったため、2015年に中退していたのだった。

その後は近くのショッピングモールやジムなどで過ごす日々を送り、家族にはヨーク大学に通っているように見せかけていた。そして昨年、7月28日が大学の卒業式と家族に伝えていたメナーズだったが、前日の27日に家族全員を殺害する計画を実行した。

事件当日の午後3時頃にメナーズは自宅にいた母親を、その1時間後に祖母を殺害した。2人を殺害した後、メナーズは外出していた妹と父親が帰って来るまでの間はビデオゲームなどをして過ごしていたようだ。

そして午後11時頃に帰宅した妹を、その1時間後に帰宅した父親を襲って殺害した。メナーズは4人をバーベルのようなもので殴った後、ナイフで喉を切っていたという。

その後メナーズは悲しむことなく、オンラインゲームの仲間に家族を殺害したことを自慢げに話していた。これを聞いた仲間の通報により、翌日の午後3時にメナーズの自宅に警察官がやってきた。警察官が住居に立ち入ろうとした時、メナーズは正面玄関に立ち尽くしていたそうで、4人の遺体はすぐに発見された。

一家と10年以上も交流のある近所の住民は、当時「先週には家族でピクニックに出かけて楽しい時間を過ごしたみたいですよ。この家の父親は愛情深くて思いやりのある人で、本当に素晴らしい家族でした。こんなことが起こるなんて信じられません」と語っていた。

メナーズは家族の殺害を認めており、第1級殺人罪で起訴されているが、今後は仮釈放無しの終身刑を下される可能性があるとのことだ。

画像は『Mirror 2020年10月27日付「Man murdered mum, dad, grandma and sister to stop double life being exposed」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)