お笑い芸人の中田敦彦氏が運営するYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」では、「海外留学よりもオンライン英会話の方が英語は学べる」という見解を示している。他にも“留学オワコン説”を唱える人は増えているようだ。ネットワークが十分に発達した今、世界中どこにいても直ぐネイティブたちにアクセスでき、確かに世界の距離は縮まっている。そんな中、海外留学はもはやオワコンなのだろうか。

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 結論からいうと「留学に勝る英会話習得方法は無い」といえる。ではなぜ留学オワコン説がここまで広まっているのか、その理由について解説していく。

■留学しても話せない

 「留学=英語が話せるようになる」と幻想を抱いている人は多いようだ。留学はあくまで勉強の手段の1つである。実際に留学から戻ってきてもあまり英語力がついていないという人は少なくない。留学には絶対的にコストがかかる。そのコストに見合ったリターンが無ければ「留学は意味が無いのでは」と考えることも不思議ではない。

■話せないのは日本語で生活するから

 ではなぜ、留学しても英語が話せるようにならないのだろうか。留学生活を台無し(英語学習という点において)にしてしまう人に共通するのは、現地でも日本人のコミュニティを作る傾向にあるという点だ。現地の語学学校で出会った日本人と友達になり、四六時中日本語で過ごしていれば何ら日本の生活と変わりない。当然ながら英語力がつくわけが無い。

■留学のメリットとは?

 留学のメリットとは何か。それは「圧倒的に英語に触れる時間が多い」ということである。

 坂田浩氏(徳島大学国際センター)と福田スティーブ氏(徳島大学全学共通教育センター)の論文「大学英語教育におけるTask-Based Instruction(TBI)の可能性と限界: 学習方略形成と自己調整学習を目指した授業に関する一考察」によれば、実用的な英語を身に付けるには3,000時間から5,000時間が必要だそうだ。

 それだけの時間を捻出するのに最も効率的な学習方法は、留学(もしくは海外で生活する)をおいて他には無い。

■留学を最大限に活かす為には

 「留学先ではたとえ相手が日本人でも日本語は話さない」というぐらいの心がけが必要だ。つまり何事も自分次第なのである。ローコストなオンライン英会話であれ、無料のYouTubeの英会話チャンネルであれ、海外留学であれ、全てはそれぞれの手段を最大限に、どれだけ上手く利用できるかが重要なのだ。後はあなたの「英語が話せるようになりたい」という情熱がどれだけあるかだろう。