この100万は取れる100万だった!

最近、競輪のようなものを一生懸命やっておりますが、ひとつ悔しいレースに遭遇しました。伊藤競輪場で行なわれているG2共同通信社杯競輪でのこと。19日の第2レースで何と3連単100万2490円という、100万車券が飛び出したのです。100万車券というのは100円買ったら100万円に増えて戻ってくるということ。これを取った方、100万円でどんな夢を見るのでしょう。一番ありそうな展開としては「次のレース以降に10万円ずつぶち込んで、30万円くらいに減らして帰る」ですが。

↓100万が大きすぎてほかの配当が安く見える!ほかも軒並み万車券なのに!


↓レースを見るとトンデモない展開での100万車券でした!(※動画の1時間21分頃から)


9車立てのレース
序盤はラインの形成などを淡々と
最終周回の最終コーナーでまず2番(黒)・7番(橙)・9番(紫)がぶつかって2番・7番が落車
転倒した2番・7番を避けようとした5番(黄)も落車
巻き込まれて1番(白)は大外を回ることになり失速
人気の9番を引っ張っていた3番(赤)はラストで失速
入線順は4番(青)・9番(紫)・8番(桃)となるも、最初の接触のところで「押し上げ(相手を外に押しやる反則)」があったとして9番が失格に
最終結果は4番(青)・8番(桃)・6番(緑)に

9車立ての3連単は全部で504通りあります。490番人気というのは、504通りのなかの490番目の人気ということで下から数えたほうが断然速いくらいの人気です。狙って買うような車券ではありません。ただ、この車券は取れたなと思うのです。実際僕もこのレースでは6番・8番のワイドを購入しており、53.5倍という車券を当てています。賭けているのは日本円ではなくゲーム内通貨ですが。

↓ワイド36番人気の53.5倍、ありがとうございます!


ちなみに9車立てのワイドは36通りあって、これが最下位人気の組み合わせです!

しっかりと当てさせていただきました!


何故「当てられた」と感じるかと言うと、この結果が4番・6番・8番の組み合わせだから。競輪では4番・6番・8番に比較的実力が低い選手を組み分けることが習慣となっており、俗に「ヨーロッパ(4・6・8)」などと呼ばれているほど。かつては「枠番」での車券販売が主流だったことから、複数選手が組み入れられる「枠」にふたり強い選手がいると人気が偏ってしまうので、あえて偶数番には弱い選手を入れることで調整していたことの名残だといいます。

「最初から弱いとわかっている」というのは「最初から高いとわかっている」という意味。4番・6番・8番が弱いのなら、それをあえて狙って買えば高額の配当が得られるはず。ということで、ヨーロッパを専門に買う車券師などもいるのだとか。僕自身も「6番・8番は車券から外したうえで、万が一来た場合に備えてその組み合わせだけおさえていた」ことで当たりを拾うことができました。

つまり、予想などしていないのである…!

高額配当だけ狙ったクズ車券なのである…!

冷静にデータを見たら能力はもちろん「それぞれが別ライン(3グループに分かれて走るレースで、各グループの最弱がこぞって生き残った的な話)」という展開面も含めてまずもって買えない組み合わせです。しかし、何にも見ないで買うタイプの車券としては筆頭格に「買い得る」組み合わせだった。実際に買うかと言われたらなかなか買えませんが、この世のどこかに、こういう結果になることだけを願って「4-6-8」を買いつづけている競輪オヤジは必ずいます。そう思うと悔しさがこみ上げてきます。

最初から「4番・6番・8番」だけを買うと決めていた場合、3連単は6通りしか組み合わせはありません。1レース600円だと、1670レース買いつづけるなかで100万車券を引けばプラスになるというわりと現実味がある話になってきます。9車しか走っていないうちの指定の3車が上位に入る、ただそれだけのことが1670回中のどこかで起きていればプラスになる。そう考えたら夢があるじゃないですか。

ならば、気づいた今こそが夢への一番の接近点。この日の車券はすでに買っていたあとで、レースすら見ないで放置しているような状態でしたが、本日は反省をしっかりと活かしました。伊東競輪の全レースで「4番・6番・8番」の3連単の組み合わせ、すべて買わせていただきました。同じ穴にドジョウが2匹いたら、僕は夕方の16時半頃には「100万」を手にしていることでしょう。単位は「円」じゃなくて「ガチャポイント」とかいう謎のポイントですが。

↓買わせていただきました伊東競輪全レースでの4・6・8の3連単!


もう1匹!もう1匹!

ドジョウがもう1匹!



はたしてコレがどういう結果になるのかはわかりません。昨日の結果で言えば、伊東競輪で6番(最弱の番号)が車券に絡んだのは100万車券の1回だけ。しかも、よく見るとあれだけもつれて絡んでいるレースのなかで6番は大きく離れた後方を追走しており、最終的な入線順位でも4番目という状態。失格があったから繰り上がっただけで、本来なら箸にも棒にもかからないようなレースぶりでした。

「それぐらい差がある選手を入れている枠」だと言えばそれまでですが、そういう枠を専門に狙って買っている競輪オヤジがどこかにいるのだと思うと、悔しさや羨ましさと同時に「敬意」というのもわいてきます。よく、そういう車券を買いつづけられるものだなと。買っても買っても来ないのが当たり前で、だからこそみんな買わないのに、それをガッチリと握りしめて100レース・1000レースを過ごす「握力」の強さ。

何というか、競輪オヤジも「頑張っているんだな」と胸が熱くなるような想いです。競輪やってるだけでも十分リスキーな人生なのに、さらにそこで大逆転だけを狙って不人気の買い目を買いつづける握力。「それを現実に活かせばもっとまともな暮らしができるのでは…?」などとも思いますが、きっとまともな暮らしをつづけているからこそ、強い「握力」で買いつづけられるのでしょう。いつか来る逆転を信じ、わずかな種銭を夢に投じる。「夢」を見つづける強さは自堕落な生活のなかでは生まれないものだと思います。

「見習いたくはないけど、貴兄を尊敬する」

そんな熱い気持ちにさせられるニュースでした。競馬の100万馬券は馬の話なので「見る人が見たら、馬の良し悪しがわかるんかなぁ?」程度の気持ちで見ていましたが、この100万車券に関しては「良し悪し」で買ってるんじゃないということがハッキリとわかる、だからこそ胸が熱くなります。この世のどこかに「夢」を見つづけた強い人が最低ひとり以上いる。昨日は、その人の「夢」がついに叶った日だったのです。何だかとっても嬉しい気持ちです!


ま、この車券買ってる人はトータルで何百万円も負けてると思いますが!