タイヤトラブルは「古いタイヤ」&「格安タイヤ」が要因?

 毎年、夏になるとタイヤのトラブルが増えてきます。高い温度によりタイヤの内部構造に問題出たり、トレッド面の剥離現象起きたり、最悪のケースだと高速走行中にバーストしたりすることもあります。

 顕著なのはサーキット走行で、古いタイヤなど履いて高負荷を掛けると、相当の確率でトレッド剥離やバーストが起きますが、なぜ危険なタイヤのトラブルが起こるのでしょうか。

クルマは高級でも「中古タイヤ」&「格安タイヤ」を装着すると意味がない!?

【画像】これは無残!思わず悲鳴を上げるタイヤの劣化っぷりを画像で見る!(13枚)

 タイヤトラブルの要因として、一般ユーザーはタイヤを交換するとき、コスト面を重視するからだと思います。街中で、新車購入時に500万円以上するようなミニバンのタイヤを見たら製造年月が10年以上も前の古い製品だったりすることもあります。

 また、日本だとまったく馴染みのない新興国製の格安タイヤだったりと、もう少しタイヤの安全性について、考えていただきたいです。タイヤ1本の接地面積はハガキ1枚程度で、4本で命を支えているのです。

 ネット上では、「アルファードみたいな高級ミニバンに限って、無名ブランドの安いタイヤが多い」という声も見受けられます。

 トラブルの要因には大きくふたつあります。まず古いタイヤという点では、ゴムというタイヤ素材の性質上、10年くらいすると確実に劣化していきます。トレッドやサイドウォールにヒビが入っているようなタイヤは説明するまでもないでしょう。

 また、タイヤはさまざまなパーツから構成されており、トレッド面だけ剥がれるという現象だって起きるため、古いタイヤは危険です。

 なぜ古いタイヤが残っているのかといえば、簡単です。ネットの販売無かった時代、中古タイヤは基本的に専門業者が扱っていました。

 当然ながらトラブルが出そうなタイヤは売らない(正確に表現すると引き取らないので在庫無し)。中古タイヤを買ってすぐバースト事故など起こしたら、業者に文句いうと思うので、そんなタイヤは売りません。

 けれど今や誰でもタイヤを売れます。新車を買った直後に高性能タイヤに交換したような人は「10年経っているけれどほぼ新品のタイヤ」を持っていることだってあるでしょう。

 それをネットのオークションなどで売りに出すと、安ければ買う人がいます。それで買ったタイヤを装着すれば、バースト予備軍の誕生と相成ります。

中古タイヤの購入ポイントは「製造時期」

 中古タイヤを購入するなら、残り溝やタイヤブランドだけでなく、製造時期もチェックすると良いです。タイヤの側面に4桁の数字で必ず製造年と製造週を表示しています。

 前の2桁は製造された週。後ろ2桁が西暦の下2桁となります。例えば2010年1月中旬なら「0310」。2012年6月あたりなら「2512」となるので、必ず確認すること。

タイヤに記載される製造時期(3819の場合、2019年9月中旬となる)

 ふたつめは新興国の格安タイヤ。同じサイズだと日本製タイヤ1本分の価格で4本買えてしまうことだって珍しくないです。

 高級ミニバンのタイヤを交換すると、日本製だったら10万円以上するが、新興国タイヤだと交換工賃込みで5万円以下もあります。黒くて丸いゴムに、2倍以上の費用を掛ける気にならない、という人だって少なからず出てくるでしょう。

 ちなみに新興国タイヤのトラブル発生率についての数字は無く、おそらく調査していないためなんでしょう。ただ整備工場やタイヤ交換業者に聞くと、皆さん口を揃えて「製造から10年未満の国産タイヤで空気圧を訂正にしていればタイヤが壊れることなどない」といいます。

 逆に考えれば、タイヤのトラブルは古いタイヤか新興国製ということかもしれません。タイヤ交換するなら、命を乗せていることを考えたらいいと思います。