世界の中でも、きれい好きといわれる日本人。毎日お風呂に入るのはもちろん、世界的なスポーツイベントではスタジアムで自主的にごみを拾う日本人サポーターの姿が話題になることもあります。しかしドイツ・ケルヒャー社が世界各国の清掃習慣や掃除に対する意識を調べるため、ドイツ、フランス、イギリス、オランダ、ベルギー、ポーランド、ロシア、ブラジル、アメリカ、中国、日本の合計11か国に居住する18〜65歳の男女を対象に「世界掃除アンケート調査」を実施。その結果、衝撃的な事実が判明したのです。

日本人が家を掃除する1日の平均時間は、わずか約13分

まず同調査では、各国の人に「あなたにとって家がきれいであることはどれほど重要ですか」と質問。すると回答者全体の92%が「重要」もしくは「とても重要」と回答している中、日本人そう回答したのは78%しかいませんでした。ちなみに、もっとも「重要」もしくは「とても重要」との回答率が高かったのはブラジル(98%)。次いでロシア(97%)となっています。

さらに同調査では、各国に「1週間のなかで、掃除に費やす時間はどれくらいですか?」と質問。その結果がさらに、衝撃的なものとなりました。

同じアジア圏でも、中国人は日本人よりもはるかに家の掃除に時間をかけていることが判明。一体何が違うのか?

日本は1週間のうち1時間33分で、11か国のなかでも圧倒的な最下位。平均すると1日のうち、わずか13分ちょっとしか掃除していないことが分かりました。一方、1位のロシアは週の中で掃除に費やす時間は4時間56分。1日平均にすると42分ほど掃除をしていることになります。

とはいえ世界で一番大きな国であるロシアは、日本の面積と比較すると45倍あります。そう考えると家の広さにも違いあるので、掃除時間にここまで差がでるのでしょうか?しかし2位のポーランドは約312平方kmで、日本の面積(約377平方km)とそれほど差はありません。どうやら掃除の時間の短さは、国や部屋の面積とそれほど関係なさそうです。

イギリス人にとって掃除はストレス発散、その発想が日本人にはなかった!?

ではなぜ日本はこれほど部屋の掃除に費やす時間が短く、その意識も低いのでしょうか?そこで注目したいのが、世界11か国の人が掃除に使っている道具の調査。その結果は次の通りとなっています。

日本でコードレス掃除機を使っている
人は34%。世界的にみても多くなって
います。

一番人気は「ほうきやブラシ」で80%。上記の調査結果と比較すると、日本は「コードレス掃除機」を使う人が34%と、世界平均から11%も上回っているのが特徴だそうです。ほかの国の特徴としては、イギリスのロボット掃除機使用率が6%と最下位でした。同調査によると、イギリス人は「掃除=ストレス発散」と考えている人が多く、ロボットに頼る必要はないと考えている人が多いとのこと。また同じアジア圏の中国は、高圧洗浄機やスチームクリーナーで集中的に掃除をすることを好む傾向にあるそうです。

日本人は家の掃除時間が少ないことが分かり
ましたが、年末に大掃除をする風習はあります。

これらの結果を見ると、日本人はきれい好きである一方で、イギリスのように「掃除=ストレス発散」を考える人が少ない傾向にあるのかもしれません。かといって中国のように高圧洗浄機などで効率的に掃除をするわけでもないので、なんとなく家の掃除がストレスになっているのではないでしょうか?もしかすると日本で掃除がもっと楽しくなるような家電や道具がもっと普及すれば、日本人の掃除に対する意識も変わるかもしれません。

【調査概要】
調査主体:ケルヒャー ジャパン株式会社
調査方法:WEBアンケート
調査時期:2019年
調査対象国と対象年齢・性別:ドイツ、フランス、イギリス、オランダ、ベルギー、ポーランド、ロシア、ブラジル、アメリカ、中国、日本の18〜65歳の男女
調査人数 :11,099人(各国1,000人以上)