「外出自粛が要請されていた4〜5月の間でも、わが社には850件ほどの不倫相談がありました」

そう語るのは、総合探偵社株式会社MRの岡田真弓社長。株式会社MRは5月にコロナ禍中の不倫、いわゆる“コロナ不倫”に関する調査を実施したという。そのきっかけについて、岡田社長は次のように語る。

「実際に浮気調査もしてみた結果、判明したのが、コロナ不倫疑惑の的中率の高さでした。ふだんでも、探偵社に相談に来るぐらいですから、調査したうち80〜90%ほどが実際に不倫をしているのですが、コロナ禍中の依頼ですと、95%が“クロ”と、かなり高い確率だったのです。そんなコロナ不倫の実態を探るために、アンケート調査を行いました」

対象は“現在浮気をしている”35〜60歳の既婚男女128人。アンケートによれば《コロナ禍前後で浮気相手と直接会う頻度に変化は?》といった質問に対して、なんと18.0%の男女が《増えた》と回答している。

なかには《週3回以上会っている》と、答えた人もいたという。外出の機会自体が減っているはずなのに、なぜ密会数は増えているのだろうか。

「歓楽街の灯が消えて娯楽が減ってしまったこと、在宅勤務となり、以前に比べて自由になる時間が増えたこと、などの環境の変化が理由になっていました。そのいっぽうで、不要不急の外出に対するハードルが上がり、“浮気相手と会えなくなったこと”で、気持ちを燃え上がらせている人もいるようです」

さらに、以前から不倫していた相手と関係を継続するばかりではなく、感染が拡大しているさなかに、《浮気を始めた》という男女が、13.3%もいたのは驚きだった。

「’11年の東日本大震災発生の直後にも、離婚と不倫の件数が増えました。先行きが見えない不安のために、それまでは心に蓋をしていた結婚相手への不満もあふれ出て、衝突も起こりやすくなっていたのです。またストレスから逃げるために不倫に走ってしまう人も多いようですね」

離婚相談士の岡野あつこさんは次のように語る。

「私のクライアントにも“コロナ不倫”をしている方はいらっしゃいます。新型コロナも地震同様に命に関わる災厄です。『もしかしたら死んでしまうかもしれない』という切羽詰まった心理が、『こんな人とは夫婦のままではいられない』と、離婚を決断させたり、また『いつ会えなくなってしまうかわからない』と、不倫相手のもとへ走らせたりしているのだと思います」

浮気相手に会いにいくための口実として、《マスクなど日用品を探しに行くと言う》と家族に言っていた男女が18.0%もいたことはコロナ不倫ならではの傾向といえるだろう。マスクの品不足すらも口実にしてしまうところに、執念を感じさせる。

「ホテルや飲食店での逢瀬ができなくなってしまった分、愛人宅での密会が増えているようです」と、岡田社長。また社長によれば、コロナ不倫をしている男性の言動には、いくつかのわかりやすい特徴があるという。

【1】急な出勤が続いていた

「在宅勤務を推奨している会社ならば、トラブルが発生しても自宅から対処できるように業務のシステムも調整されているケースが多いと思います。それにもかかわらず“急な出勤”が何度も続いていたのであれば、要注意です」

【2】帰宅時間が遅くなっていた

「医療系や物流系の職場などの例外はありますが、緊急事態宣言下で、業務量を減らしている会社も多かったはずです。飲み会や接待などもほとんど行われていなかった状況で、遅く帰宅することが続いていたとすれば、愛人の家に入り浸っていた可能性も否めません」

【3】携帯電話にふれられるのを極端に嫌がっていた

「会社にいるときには、浮気相手とのやり取りをこまめに削除できますが、自宅だとそれがなかなかできないからです」

【4】車の走行距離が増えていた

「通勤に車を利用しているケースです。コロナ禍のなか、逢瀬に車を利用している人も多かったのです。その場合、家と会社の往復よりも、走行距離が格段に増えていることがほとんどでした」

緊急事態宣言下の特殊な条件などを利用して、繰り広げられていたコロナ不倫。いったん宣言も解除され、外出や休業の自粛も緩和されていくなか、コロナ不倫は減っていくのだろうか?

「私は、関係をこのまま続ける不倫カップルも多いと思います。新型コロナの脅威が完全に消えない限り、命に関わる状況は変わっていません。それが彼らを不倫愛へとかきたて続けることでしょう」(前出・岡野さん)

「緊急事態宣言解除後も外出自粛の傾向は当面の間続くでしょうし、業務量がすぐには以前のレベルには戻らない会社も多いでしょう。コロナ不倫も“いまだけ”にはとどまらない可能性があります」(前出・岡田社長)

新型コロナの猛威により、ウイルス対策には、どれだけ注意を払っても足りない状況になっているが、それは浮気対策も同様ということのようだ。

「女性自身」2020年6月16日号 掲載