■在宅勤務で家庭の光熱費がかさんでいる

毎月決まって支払わなくてはいけない光熱費。在宅勤務や休校措置で家族が自宅にいる時間が増えたおかげで、家庭の光熱費がかさんでいることだろう。最小限の手間で最大限の効果を狙うなら「支払先の見直し」と「省エネ家電への買い換え」という2つのアプローチが有力だという。

写真=iStock.com/show999
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/show999

「2016年の電力自由化、17年の都市ガスの自由化によって、契約先の選択肢が増えました。契約先を切り替えることで光熱費が節約できるほか、各社が新規契約獲得のために商品券などのキャッシュバック、Amazonプライム・ビデオの1年間無料やガソリン割引券など独自の付加サービスを展開しています」

こう解説するのは、家計の節約に詳しいファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏だ。実は、電力やガスの契約切り替え手続きはスマホだけ、あるいは電話一本で行え「拍子抜けするほど簡単」とのこと。電気・ガス料金のシミュレーション比較サイトで使用状況を入力すれば、おすすめのプランと節約額がわかる。驚くほどのお手軽さだ。

「契約先を替えるだけで、何もしなくても月々の支払額を減らせます。1度も見直したことがないという方はぜひ比較サイトで試算だけでもしてみることをおすすめします」

■“どこで買うか”で数万円変わる

一方、省エネ家電の節約効果は環境省の「COOL CHOICE 5つ星家電買換えキャンペーン」サイトが参考になる。同サイトによると、家庭における消費電力量のトップ5は電気冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコン、電気便座。仮に、10年前のものを使っていたとして、上記5つを最新型に買い換えると、理論上は2割以上の省エネ効果が見込めるという。

「10年以上使っていて、ちょっとガタもきているという家電があるなら、このタイミングで買い換えを検討するのも手です。“壊れてから買い換えよう”と先延ばしにするよりも、電気代が安くなる分、お得になる可能性があります。特別定額給付金でちょうどいい買い物かもしれませんね」

家電の買い換えを検討するなら、“どのように買うか”も重要だ。マネー事情に詳しいライターの山野祐介氏は次のように解説する。

「家電は“どこで買うか”によって数万円変わることもザラです。価格ドットコムなどの比較サイトなどで最安値のECサイトはひととおり目を通しておきたいですね」

テレビを買い換えたい、そんな人に耳寄りなのがソニーの『ブラビア・ロトキャンペーン』(ソニーストア)だ。新型ブラビアを購入すると最大10万円キャッシュバックされるという(2020年7月28日まで)。ほかにも「ひかりTVショッピング」の8割ポイントバックなど、ECサイトが独自にやっているキャンペーンもこまめにチェックしておくといいそうだ。

さらなる裏技としては、新品にこだわらず、トレジャーファクトリーやハードオフなどのリサイクルショップで、比較的最近発売された中古家電をゲットする方法もあるという。

「トレジャーファクトリーは、軽トラックを貸してくれるので配送費もゼロ。これまで使っていたものはついでに売れば、処分費もかかりません」

ちょっとしたリサーチや購入先の工夫で、瞬く間に数万円の差がつく。

最新エコ家電に買い換えで10年で約40万円カット(月間電気代1万5000円の場合)

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山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表
ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。中央大学法学部卒業後、企業年金研究所、FP総研を経て独立。著書に『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)など。
 
山野祐介(やまの・ゆうすけ)
マネー事情に詳しいライターとしてプレジデント誌でもおなじみのファイナンシャルプランナー。複数の雑誌でマネー連載を抱え、お得な情報の受発信を精力的にこなす。得意分野はクレジットカード、ポイント、ケータイなど。
 

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島影 真奈美(しまかげ・まなみ)
ライター・編集者
1973年宮城県仙台市生まれ。国内で唯一「老年学研究科」がある桜美林大学大学院に社会人入学した矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。「介護のキーパーソン」として別居介護に参戦し、仕事・研究・介護のトリプル生活を送る。その体験をもとに、新聞や雑誌、ウェブメディアなどで広く執筆を行う。近著に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)。noteTwitterアカウント
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(ライター・編集者 島影 真奈美 撮影=南方 篤)