「新潟市と松山市は、独立リーグに所属するチームの本拠地で、沖縄県も新球団『琉球ブルーオーシャンズ』を立ち上げたことで、再起を目指す環境はできている。静岡市だけが取り残される形となったが、古田氏は責任を感じ、古巣のヤクルトに本拠地移転を働きかけているようだ。王会長と巨人もバックアップを約束していると聞いている」(スポーツ紙デスク)

 一方で古田氏は、静岡の草薙球場が県営で、専有するには議会などの承認が必要なため、時間がかかることが予想されることから、来年の五輪期間においては新潟市のエコスタを借り受けての開催を模索している。アルビレックスの選手とファンの理解が得られれば、アルビレックスのチームごとヤクルトの下部組織(二軍)に組み入れる案も提示しているという。

 日本はこれまで、東京五輪に1兆3500億円を投じてきたが、延期によって3000億円が必要になり、もう1年延期となればさらに3000億円の出費を迫られる。国民感情として、「そんな金があるならコロナ対策に回せ」という怒りの声が高まるのは、火を見るより明らかだ。

 当初、新国立競技場から青山通りまでの一帯を、神宮球場と秩父宮ラグビー場を中心に商業施設や宿泊施設も建設するという空前絶後の計画だったが、ヤクルトの「神宮脱出」により重大局面を迎える。