【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル市は1日夜、新型コロナウイルスの集団感染が発生した新興宗教団体「新天地イエス教会」の教祖、イ・マンヒ総会長(88)ら同団体の幹部を殺人罪や傷害罪、感染病予防・管理に関する法律違反などの疑いでソウル中央地検に告発した。

 同市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は自身のフェイスブックに、「彼らを強制捜査してこそ感染症を一日も早く収束できる」として、「この人たちが積極的な措置を取っていれば多数の国民が死亡に至ったり傷害を被ったりすることも未然に防げた」と投稿。「検察は今回の事態の重要責任者である新天地の指導部に対する迅速かつ厳正な捜査により、国民が納得できる処罰が行われるようにしなければならない」と求めた。

 韓国政府の中央防疫対策本部によると、1日午前9時時点の韓国での感染者3526人のうち、南東部・大邱にある新天地の教会に関係のある人は2113人だった。感染者全体の59.9%に当たる。政府は詳しい感染経路などを確認するため、新天地に対し信者全員の名簿の提出を求めた。

 同団体は先月28日に出した声明で、保健当局に国内の21万2324人、海外の3万3281人の計24万5605人の信者の名簿と関係機関の住所などを提出したと明らかにした。

 同市は告発の背景として、「被告発人たちが検診を拒否しており、信者に防疫当局に積極的に協力するようにするいかなる措置も取らなかった」と主張した。また、「新天地が政府や地方自治体に提出した信者の名簿に漏れや虚偽の記載があるなど、防疫当局の業務を妨害した疑惑も提起されている」と説明した。