「もう、『なんでやねん!』という気持ちでいっぱいです。薬なんて、とうの昔にやめていると思っていました。最近も薬をやっている様子なんてまったくなかったですし、よく『一度やったらやめられない』という話を聞いても『そんなことはないよ。だって息子は実際にやめたんだから』と思っていたくらいです」

泣きださんばかりの表情でそう語るのは、槇原敬之容疑者(50)の父・博之さん(79)だ。

2月13日に覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕された槇原容疑者。’99年にも同様の罪で逮捕されており、その際に彼は直筆のコメントでファンや関係者に次のように謝罪していた。

《今後は、絶対にこの様な事を起こさないことを、堅くお約束いたします》

前回の逮捕から、長い時間がたった。その間、「息子は薬を断ち切っている」と心から信じていたという博之さん。2度目となる息子の“まさかの裏切り”に、憔悴している様子だった――。

’69年5月、大阪府高槻市に生まれた槇原容疑者。父の博之さんは電器店を営んでいたが、一人息子の才能開花のためにサポートを惜しまなかったという。

「槇原くんは5歳のころ、保育園の先生の影響でピアノを習い始めました。当時、男の子で音楽をやっているなんて彼ぐらい。でもお父さんは、誰よりも彼のことを応援していました。仕事が忙しいのに、よくコンサートに連れていったりしていてね。小学校のときには、彼が『家族で(ピアニストの)リチャード・クレイダーマンの演奏会に行ってきたんだ!』とうれしそうに言っていたのを覚えています」(地元住民)

中学に入ると、友人とポップス同好会を作った槇原容疑者。次第に一目置かれる存在となっていったが、その陰にも父の応援があったようだ。

「彼の家には、高価なオーディオがそろえられていました。それに、20万円以上するキーボードも。音楽にのめり込んでいく一人息子に、お父さんがプレゼントしてくれたのでしょう。おかげで、槇原くんはどんどんうまくなっていきました。当時はびっくりするぐらいまじめなコでね。生徒会の選挙にも立候補するほどだったのですが……」(別の地元住民)

そんな親子の夢がかない、’90年にデビューを果たす。翌年に『どんなときも。』が発売されると、ミリオンセラーを記録。誰もが知るアーティストとなっていった。だが人気絶頂の’99年、覚せい剤取締法違反で逮捕。そして今回、2度目の逮捕となったのだ。

今年、槇原容疑者はさまざまな企画に乗り出していた。デビュー30周年の特設サイトを開設し、コンサートツアーの開催も決定。昨年10月には“30周年記念第一弾”と銘打ち、初のカバー曲のベストアルバムもリリースしていた。博之さんはいま、槇原容疑者への“深い失望”に打ちひしがれている。

「親と子ですからね。何か言葉にしなくても、それ(薬をやめること)はお互い気持ちで伝わっていると思っていました。実際、その後は順調にいっていると思っていました。ただ、今回で2回目。もう、息子の人生は終わりだと思います。私らも、ここには住んでいられなくなりそうです……」

“一家離散の危機”に無念の思いを明かす博之さんは現在、79歳。5年前には大腸がんを患ったという。それだけに、逮捕の一報はことさらこたえただろう――。

「女性自身」2020年3月3日号 掲載