AirPodsの売上は昨年末から今年初にかけて「2019年は前年から出荷が倍増」「AirPodsだけで収益がアドビ並み」など、非常に好調な観測が届けられています。この度また新たに、TWS(完全ワイヤレスイヤホン)世界市場全体の70%以上もの収益を獲得している――という、好調さを示す調査結果が伝えられています。この報告は、大手リサーチ会社Strategy Analytics(SA)の最新レポートによるもの。これによると、2019年のAirPods売り上げは、前年比でほぼ100%成長したとのこと。この観測は、先日のBloomberg報道と一致するものです。

そして2019年内のAirPods出荷台数は実に約5870万台、全世界のTWS販売の54.4%を占めるとのこと。SAは少なくとも今後5年間、アップルのTWS市場での優位性は揺るがないと分析しています。

投資アナリストKevin Rooke氏の「AirPodsだけで収益がアドビ並み」報告はAirPods基本モデルとAirPods Proが同じ比率だけ売れているという大ざっぱな推測に基づいていましたが、SAは調査力にも定評があり、より信ぴょう性が高いと思われます。

TWS出荷台数において、アップルに次ぐ2位と3位にはXiaomiとサムスンが付けているものの、両社はいずれも10%未満のシェアで、アップルはかなりのリードを付けています。

より注目すべきは、台数ではなく収益に関する報告です。こちらによれば、AirPodsがTWS世界市場において71%もの収益を獲得しているとの分析がなされています。

出荷台数ベースで50%以上としても、71%はあまりに儲かりすぎと思われますが、出荷台数ではAndroid陣営におよばないiPhoneが全世界スマートフォン市場の総利益66%を独占しているとの報告もあり、アップル製品の利益率の高さは健在のようです。



現状ではアップルの一人勝ちにも見えるTWS市場ですが、SAいわくAirPodsを含む市場の成長は今後も続く見込みであり、急速に多くのスマートフォンベンダーにとっての新収益源になっているとのことです。

スマートフォンは本体機能の目新しさがなくなったことで市場が伸び悩んでいるとも見られていますが、裏を返せばそれだけスマートフォンが普及しているという事実でもあります。今後はセットになるTWSの潜在的な市場が急速に開拓されていくのかもしれません。

Source: Strategy Analytics, Yonhap News
Via: 9to5Mac