東京オリンピック開幕イヤーの2020年。今年は、今まで以上に多くの外国人観光客が訪れると予想されます。その一方で実は、海外に行く日本人も年々の増加の一途をたどっていることをご存知でしょうか?日本政府観光局(JNTO)によると、2018年に1895万人と過去最高を記録。また昨年2019年の1〜10月の日本人出国者数は、前年同月比6.9%増の1672万6100人。仮に11、12月が昨年と同水準で推移した場合、2000万人の突破は確実の状態となっています。

約半世紀ぶりにアメリカとの国交が回復したキューバの人気が急上昇!

そこで今回ご紹介するのは、阪急交通社よる約10年の間に旅行者が増えた国に関する調査結果。日本人に人気の海外旅行先といえば、ハワイやグアムを含めたアメリカや台湾、韓国、香港、イタリア、フランスなどが思い浮かびます。しかしここ10年で海外旅行に行く人が増加するともに、訪問先となる国の幅も広がっているのではないでしょうか?

そこで同調査では、2009年の旅行者数10人未満の国を対象とした「約10年前に旅行者がほぼいなかった国の上昇率ランキング」を調査。結果は次のとおりとなりました。

約10年前に旅行者がほぼいなかった国の上昇率ランキング

1位 キューバ

2位 サンマリノ

3位 ボリビア

4位(同率) アルメニア ※コーカサス三国

4位(同率) アゼルバイジャン ※コーカサス三国

4位(同率) ジョージア ※コーカサス三国

7位 バハマ

8位 コソボ共和国

9位 マケドニア

10位 アンドラ

1位は「キューバ」。約10年前に日本人観光客がほぼいなかったことが意外に感じるかもしれませんが、キューバは1961年からアメリカと国交断絶しており、2015年にようやく国交が回復した歴史があります。以後、キューバは世界中の観光客が訪れる観光立国となっているのです。

行くなら今のうち!ミャンマーのビザなし措置は今年の9月末まで

さらに同調査では2009年の旅行者数10人未満の国を除外した「約10年前も旅行者がいた国の上昇率ランキング」も発表。結果はこちらになります。

約10年前も旅行者がいた国の上昇率ランキング

1位 ミャンマー

2位 ラトビア ※バルト三国

3位 リトアニア ※バルト三国

4位 エストニア ※バルト三国

5位 モンゴル

6位 スリランカ

7位 バチカン

8位 オマーン

9位 ポーランド

10位 コロンビア

こちらの1位はミャンマーに。実はミャンマーは2018年より日本と韓国を対象に、観光ビザの免除が施行されています。ビザ免除措置は限定的なもので、現在のところ2020年9月末までの予定。これにより、免除の間に行ってしまおうという人が増えているのかもしれません。

世界三大仏教遺跡のひとつ「バガン遺跡」。草原にたくさんの仏塔が建っています。

周遊しやすく治安もいい、コーカサス三国とバルト三国に注目

またここまでご紹介した2つのランキングで気になることがあります。「約10年前に旅行者がほぼいなかった国の上昇率ランキング」ではコーカサス三国が同率4位に入っており、「約10年前も旅行者がいた国の上昇率ランキング」では2位から4位にバルト三国がランクイン。どちらも小さな国が集まったエリアですが、なぜそれぞれ人気を博しているのでしょうか?

アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージアからなるコーカサス三国が位置するのは、黒海とカスピ海の間。ロシア、トルコ、イランと国境を接している場所に、東洋と西洋が織り交ざった多用な文化が息づいています。一方ラトビア、リトアニア、エストニアのバルト三国は、フィンランドの南に位置するバルト海の東にあります。三国それぞれの首都全てが世界遺産に登録されているのが特徴です。

同調査によるとそれぞれの三国の魅力は小さな国で周遊がしやすく、治安も国民の人柄も良いことだそう。さらに街と自然の風景が楽しめて、写真映えするスポットが数多いといいます。

この先海外旅行の多様化はますます進みそう。日本人がほとんど訪れないけれど魅力的な国々は、まだまだたくさんありそうです。

【調査概要】
調査主体:阪急交通社