天皇陛下の即位の礼が行われている2019年10月22日、ツイッターでは三種の神器として知られる「天叢雲剣」がトレンド入りしている。

三種の神器として知られる「天叢雲剣」

日本書紀の中には、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した時に、八岐大蛇の尾から出てきたのが草薙剣の名でも知られる天叢雲剣とされる。続いて、「本名天叢雲劒。蓋大蛇所居之上、常有雲氣、故以名歟」という記述がある。これは「本来の名を天叢雲剣といい、思うに大蛇のいるところに常に雲があったため、この名がついた」という意味である。

10月22日の東京の朝から午前にかけて雨が降っていたことから、雨・雲とゆかりのある天叢雲剣の伝承となぞらえてツイートする人が続出。ツイッターのトレンドに「天叢雲剣」が入ることとなった。 雨に縁があるのはこの即位の礼だけはなかったようで、東京では上皇さまご退位の19年4月30日は午後の一部時間帯を除いて弱い雨が、天皇陛下の「即位後朝見の儀」が行われた5月1日は昼頃を除いて雨が降っていた。

では平成・昭和の時はどうだったのだろうか。1990年11月12日に行われた上皇陛下の即位の礼の日の天気は、気象庁の記録によると晴れており、式典の写真を見ても宮殿の屋外に居並ぶ百官の姿が残されている。今回は午前中を中心に雨のため、式典にかかわる職員らは基本的に屋内で待機した。

13時前後から雨が急に...

1928年11月10日に京都で挙行の昭和天皇の即位礼においても、気象庁の記録では京都での降雨は記録されていない。映像を見ると、モノクロではあるが建物や人物の影がいくつかの場面で写っていることが確認でき、天候は悪くなかったといえる。

ところで、皇室の祖先神とされる天照大神(アマテラスオオミカミ)は、太陽神としても知られる。即位の礼のハイライトといえる「正殿の儀」が行われる13時前後から都内では雨が弱まり、千代田区内では雲の合間から青空も覗いた。これにもツイッターでは「空が晴れてきたの、トリハダたった」「雨が上がって晴れてきたかな。神々しい感じ」と驚く声が上がった。