見送るとの公算も根強かった消費税が10月1日、5年半ぶりに10%に引き上げられた。今後の安倍政権の行方を占う消費増税には、経済の停滞により、国民生活と共に自民党派閥のパワーバランスにも大変化を引き起こしかねない。
京大大学院の藤井聡教授はSNS等で「10月1日から日本は地獄になる。個人消費は確実に2%下落する。国民をなめんなと言いたい」と痛烈に批判している。藤井教授は安倍政権の元で、内閣官房参与を務めていた人物だ。消費増税の危うさを再三にわたり安倍首相に忠言してきたが、無視されたため、参与の職を自ら辞した。このため「安倍首相自身も7月の参院選の結果次第では消費増税の先送りを本気で考えていた」(官邸関係者)という。
別のアナリストは「間違いなく消費増税で日本の経済は低迷する。デフレ経済において、増税をすることは逆効果だ。日本経済の問題点は供給過大で、需要が不足していること。公共事業、公共投資を行って、需要を増やすのが一番重要です。その逆を安倍政権はやろうとしている。アベノミクスは大失敗に終わるだろう」と辛らつだ。
デフレ経済下で増税すれば、ますますデフレ傾向が進み、需要が落ち込んでしまう。自民党閣僚経験者は「現在、求められているのは、積極財政による高度経済成長路線の拡大を訴え、国土改造論を進めた田中角栄元首相だ。田中政治を今、継承できるのは、二階俊博幹事長による国土強靭化だ」と話す。
思い出されるのは、角福戦争だ。これは田中角栄と清和会を創設した福田赳夫によって日本の政治の長期にわたって繰り広げられた激しい政争・権力闘争を戦争に例えて呼んだもの。今回も経済が落ち込むようなら、経世会から覇権を奪い、史上最長在任期間が視野に入った安倍首相が属し、緊縮財政を行う政府(清和会)に牙を剥く田中角栄首相を源流とする竹下派、二階派の仁義なき戦いが始まるのは必至。
元々、清和会は角福戦争に破れた後、長らく非主流派の道を歩み、「経世会からは低く見られていた」(古参秘書)経緯がある。
一方、経世会は田中派の流れをくむ鉄の集団で、約120人が在籍したマンモス派閥。そんな経世会が2001月4月の総裁選で小泉純一郎元首相が制して、潮目が変わった。「経世会議員が、逆に抵抗勢力とヤジられ低く見られた」(同)という逆転現象が起きたのだ。
安倍政権を支える土壌が崩れるのは、緊縮財政志向の安定経済を唱える経済政策を転換せざるを得なくなったとき。そのとき、現れるのが、田中角栄の薫陶をうけた政治家たちだ。小沢一郎氏はその一番手だが、野党であり、人格攻撃でダーティーなイメージがついたため、もはや復活はない。
注目されるのは、今回の党人事で続投が決まった二階幹事長だ。二階氏は田中角栄から直接薫陶を受けた、田中イズムを持つ数少ない残党の1人。さらに、党内一の実力者でもある。
その証拠に竹下派の金田勝年幹事長代理が竹下派を退会し、二階派に入会することが明らかになった。現職の党幹部の派閥離脱は極めて異例。二階幹事長自らが口説いた派閥拡大路線の一貫だ。
さらに自民党議員の死去に伴って繰り上がり当選した出畑実氏が4日、二階派(志帥会、46人)に入会する意向を伝えた。10日の派閥会合で正式に入会する見通し。出畑氏の加入により、同派は岸田派(宏池会、46人)を抜いて単独第4派閥となる。まさに、「数は力」という田中政治の体現者だ。
臨時国会開会前日の3日夜、反安倍の急先鋒で田中門下生でもある石破茂元幹事長と都内のホテルで2時間にわたり会談するなど、二階幹事長はきな臭い動きも見せている。肝心の安倍首相との関係は微妙だが、菅義偉官房長官とは良好な関係を持つ。
京大大学院の藤井聡教授はSNS等で「10月1日から日本は地獄になる。個人消費は確実に2%下落する。国民をなめんなと言いたい」と痛烈に批判している。藤井教授は安倍政権の元で、内閣官房参与を務めていた人物だ。消費増税の危うさを再三にわたり安倍首相に忠言してきたが、無視されたため、参与の職を自ら辞した。このため「安倍首相自身も7月の参院選の結果次第では消費増税の先送りを本気で考えていた」(官邸関係者)という。
別のアナリストは「間違いなく消費増税で日本の経済は低迷する。デフレ経済において、増税をすることは逆効果だ。日本経済の問題点は供給過大で、需要が不足していること。公共事業、公共投資を行って、需要を増やすのが一番重要です。その逆を安倍政権はやろうとしている。アベノミクスは大失敗に終わるだろう」と辛らつだ。
デフレ経済下で増税すれば、ますますデフレ傾向が進み、需要が落ち込んでしまう。自民党閣僚経験者は「現在、求められているのは、積極財政による高度経済成長路線の拡大を訴え、国土改造論を進めた田中角栄元首相だ。田中政治を今、継承できるのは、二階俊博幹事長による国土強靭化だ」と話す。
思い出されるのは、角福戦争だ。これは田中角栄と清和会を創設した福田赳夫によって日本の政治の長期にわたって繰り広げられた激しい政争・権力闘争を戦争に例えて呼んだもの。今回も経済が落ち込むようなら、経世会から覇権を奪い、史上最長在任期間が視野に入った安倍首相が属し、緊縮財政を行う政府(清和会)に牙を剥く田中角栄首相を源流とする竹下派、二階派の仁義なき戦いが始まるのは必至。
元々、清和会は角福戦争に破れた後、長らく非主流派の道を歩み、「経世会からは低く見られていた」(古参秘書)経緯がある。
一方、経世会は田中派の流れをくむ鉄の集団で、約120人が在籍したマンモス派閥。そんな経世会が2001月4月の総裁選で小泉純一郎元首相が制して、潮目が変わった。「経世会議員が、逆に抵抗勢力とヤジられ低く見られた」(同)という逆転現象が起きたのだ。
安倍政権を支える土壌が崩れるのは、緊縮財政志向の安定経済を唱える経済政策を転換せざるを得なくなったとき。そのとき、現れるのが、田中角栄の薫陶をうけた政治家たちだ。小沢一郎氏はその一番手だが、野党であり、人格攻撃でダーティーなイメージがついたため、もはや復活はない。
注目されるのは、今回の党人事で続投が決まった二階幹事長だ。二階氏は田中角栄から直接薫陶を受けた、田中イズムを持つ数少ない残党の1人。さらに、党内一の実力者でもある。
その証拠に竹下派の金田勝年幹事長代理が竹下派を退会し、二階派に入会することが明らかになった。現職の党幹部の派閥離脱は極めて異例。二階幹事長自らが口説いた派閥拡大路線の一貫だ。
さらに自民党議員の死去に伴って繰り上がり当選した出畑実氏が4日、二階派(志帥会、46人)に入会する意向を伝えた。10日の派閥会合で正式に入会する見通し。出畑氏の加入により、同派は岸田派(宏池会、46人)を抜いて単独第4派閥となる。まさに、「数は力」という田中政治の体現者だ。
臨時国会開会前日の3日夜、反安倍の急先鋒で田中門下生でもある石破茂元幹事長と都内のホテルで2時間にわたり会談するなど、二階幹事長はきな臭い動きも見せている。肝心の安倍首相との関係は微妙だが、菅義偉官房長官とは良好な関係を持つ。
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外部リンク週刊実話