現地時間9月15日、ポルトガル・リーグの第5節が行なわれ、ポルトがポルティモネンセを3-2で下した。ポルトの中島翔哉が72分から途中出場、ポルティモネンセの安西幸輝がスタメンでピッチに立ち、同じ東京ヴェルディユース出身の日本人対決が実現している。

 試合はポルトが2点を先行したものの、72分、77分と立て続けに失点し、同点に追いつかれる。しかし、2-2で迎えた後半アディショナルタイムに決勝点となるゴールを奪い、何とか勝点3を手にした。

 その劇的な結果と同じぐらい現地で話題を集めたのは、試合後の一幕だった。ポルトのセルジオ・コンセイソン監督がピッチ上で中島に近づき、何事か強い口調で詰め寄るような様子を見せたのだ。これを目にしたMFのオタ―ビオが割り込むようにふたりの間に入ったが、明らかに緊迫した空気が流れていた。

 試合後の会見では、コンセイソン監督に「ナカジマと何を話していたのか?」という質問が飛んだが、「あれは我々の間だけの会話だ」とはぐらかした。だが、この試合の“苦戦ぶり”を問われたポルトガル人指揮官は、厳しい言葉を発している。

「監督はベンチから試合をサポートするのが基本だが、時に自らゲームを難しくしてしまう場合がある。今日はまさにそれだ。フットボールを理解している選手だけが、私の言うことを呑み込み、体現できるようだ」

 現地紙『O jogo』はこの一件を、「コンセイソンは中島に対して何事か話しかけ、試合後に怒りを露わにした」と報じている。また、ポルトガル全国紙『A BOLA』は、「コンセイソンは試合終了のホイッスルが鳴った後、中島のもとに向かった」とこのシーンを動画付きで伝えた。

 指揮官の叱責は現地でも波紋を広げており、ファンからは様々なコメントが寄せられている。

「無意識の態度は私たちの性格を浮き彫りにする。いまポルトにふさわしいコーチはいない」
「“ビンテージ(古風)”なコンセイソン」
「リスペクトの欠如だと思う。彼が怒鳴りつけたのがアジア人でよかった。彼らはほかと異なる文化を持っている。もしアフリカ人やアメリカ人だった場合はどうなっていたか」
「リスペクトはお互いに持つべきものだ。コンセイソンの教育はすばらしい」
「ナカジマは2回もボールロストをし、ポルティモネンセの反撃を招いたんだぞ」
「コンセイソンはサッカーに精通しているかもしれないが、マネージャーとしてはひどい。それに、尊敬は恐れを意味するものではない」
「こんなのは見慣れたものだろう? 彼はとても厳しいコーチだ。今さら何を驚く?」
「俺が言いたいのはひとことだ。みっともない、ロッカールームでやれ」

 ポルトは現地時間9月19日、ヨーロッパリーグのグループステージ初戦でスイスのヤングボーイズと対戦する。中島の起用法にも注目が集まりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部