生きたタコを手に入れた女性が、ユニークな写真を撮ろうとしてタコを顔の上に載せたところ、とんでもない災難に見舞われた。タコは女性の顔に吸い付いただけでなく、くちばしのように鋭い口で噛みついたのだ。タコはパニックに陥り攻撃に出たのであろうが、女性は「もう2度とこんなことはしない」と猛反省をしているようだ。『KIRO 7 News』などが伝えた。

米ワシントン州ピュージェット湾にあるタコマナローズで今月2日、魚釣り大会(フィッシングダービー)が開催された。この大会期間中は同地で撮影されたフォトコンテストも行われており、多くの参加者がベストショットを捉えようとカメラを構える。同州のフォックス・アイランドから大会に参加したジェイミー・ビスシェリアさん(Jamie Bisceglia)もその1人で、他の参加者がタコを捕獲しているのを見て面白い被写体になると思ったようだ。

ジェイミーさんはタコを譲ってもらい、自分の顔に載せてカメラに向かってポーズを取ったのだが、これが大きな災いを招くことになってしまった。タコは吸盤を使ってジェイミーさんに張り付くと、身の危険を感じたのか意外な行動に出たのだ。

ジェイミーさんは当時のことをこのように振り返っている。

「タコが鳥のくちばしに似た形の口で、私の顎を噛んだのです。鋭い痛みが走り、顎に何かが突き刺さりました。その後一度離れたのですが、再び同じように噛まれてしまって。私の顎からは血が滴り落ち、かなり長い間出血していました。」

同州タコマにあるポイント・ディファイアンス水族館のスポークスマンは、ジェイミーさんを噛んだタコはミズダコ(giant Pacific octopus)か、太平洋アカダコ(Pacific red octopus)ではないかとみている。幸いジェイミーさんを噛んだのは小さな個体だったが、大きいものだと全長3〜5メートルにもなるそうだ。またこれらのタコは、足(腕)の付け根部分にある口を使ってエビ、カニ、貝などの硬い殻をバリバリとかみ砕き、唾液に含まれる毒を使って獲物を麻痺させるという。こんな強力な口で噛まれたら、痛いのは当然だろう。

釣り用具などを扱う「サウス・サウンド・サーモン・シスターズ(South Sound Salmon Sisters)」のオーナーでもあるジェイミーさんは、幼い頃から釣りが好きで魚には詳しいものの、まさかタコに襲われるとは思ってもいなかったらしく、その後2日間は釣りを続けたが3日目には病院の救急処置室に行かざるを得なくなり、医師に抗生物質を3種類も処方してもらったそうだ。

「医師からは、数か月痛みや腫れが引かない可能性もあると言われました。いい教訓になりました。生きたタコを扱う時は注意が必要と言うことでしょうね。もう2度とこんな愚かなことはしませんよ。」

そう語るジェイミーさんだが、襲われたタコにはきちんとリベンジを果たしたようで「あのタコは家で料理して食べました。とても美味しかったですよ」と笑い飛ばした。

ちなみにタコの逆襲といえば今年5月、中国で「SNSで有名になりたい」と“タコの踊り食い”に挑戦し、ライブ配信した女性が話題になった。女性はタコの吸盤が顔に吸い付いて離れなくなって泣き叫び、ようやくタコに解放された頬は皮膚が裂けて血がにじんでいた。

画像は『New York Post 2019年8月7日付「Washington woman who posed with octopus on face hospitalized」(Jamie Bisceglia Facebook)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)