4気筒モデルはまだ注文が可能!

 永遠とも思えるほど長いティザー期間を経て、ようやく販売となった新型スープラ

 しかし、正式な発売を前にして、すでに6気筒の3リッターターボエンジンを搭載する「RZ」グレードは完売というニュースが流れたのも記憶に新しい。

 それにもかかわらず、イベントでの展示や試乗車の配置(9月以降の配置がアナウンスされている)がなされるのはなぜなのか? 「買えないクルマを展示する意味なんてあるの?」という声が聞こえてきた。そこで今回はすでに完売したスープラをディーラーなどが展示する理由を考えてみよう。

1)まだ買えるスープラも存在する

 スープラが完売した、と言ってもじつは完売したのは前述したように、6気筒の3リッターターボエンジンを搭載したトップグレードの「RZ」の話であり、4気筒の2リッターターボエンジンを搭載した「SZ-R」と「SZ」はまだ注文することができるのだ。

 そのため、4気筒モデルを狙っているユーザーのために展示車を用意するというのがひとつの理由と言えるだろう。

反響は「2020年モデル」に反映

2)完売した6気筒モデルは「2019年モデル」

 また、今回完売したと言われているのは、およそ500台とも言われる2019年モデルのハナシ。つまり、来年にデリバリーされる「2020年モデル」は手に入れるチャンスがあるということだ。

 690万円と高額なモデルなだけに、慎重に見極めてから購入したいというユーザーも少なくないだろうから、2020年モデルがリリースされる前にじっくり展示車や試乗車に触れて検討してみてくださいね、ということもあるのだ。

 また、今回も追加で24台の「マット・ストームグレーメタリック」が用意されたように、反響次第では2020年モデルの割り当て台数が増える可能性もある。

 トヨタとしてもプレミアム感を演出するために、一気に台数を増やすことはないだろうが、展示車や試乗車への反響の大きさはその一つの指針となることは間違いないだろう。

3)トヨタのイメージリーダーとしての役割

 2014年のデトロイトモーターショーで登場した「FT-1コンセプト」から数えればじつに5年の歳月をかけて登場までの階段を登ってきたスープラ。発表会の演出などを見ても分かるようにトヨタ肝いりの車種であることは想像に難くない。

 そのため、イメージリーダーとして多くの人の目に触れることも、スープラに課せられた役目のひとつというわけだ。今は金銭的に買えないという人や、まだ免許もない子どもまで、いつか乗ってみたいという憧れを抱かせることも大切なポイント。

 そういう役目もスープラは担っているのではないだろうか。