「子どものことは、親である私が一番わかっている」とばかりに、子どもに無意識にネガティブなレッテルを貼ってしまっているレッテル親はいないでしょうか?
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一見子どものことをよく把握しているいい親のように見えるレッテル親ですが、場合によっては放任親よりもタチが悪いかもしれません。
『モンテッソ―リ教育で伸びる子を育てる!』の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する幼児教育研究家平川裕貴が、レッテル親についてお話しします
レッテル親とはどういう親?
レッテル親は、なんでもかんでも干渉する過干渉や、守りすぎる過保護な親とも、また、子どものすることに関心を持たない放任親とも少し違うのです。
レッテル親とは、「うちの子は気が弱い」「うちの子は〇〇が苦手」「うちの子には〇〇は無理」などと、子どもの性格や能力や好みなどを、成長の途中で先回りして勝手に決めつけてしまう親です。
そして、そういうレッテルを子どもに貼ってしまう親なのです。たとえば、
・「うちの子はニンジンが苦手なんです」と料理で工夫することもせず食べさせない
・「うちの子は足が遅いから、スポーツは苦手」と決めつけて運動させない
・「うちの子は集中力がないから無理」と難しいことにトライさせない
・「うちの子はやりたいといってもすぐに飽きるから」と新しいことにチャレンジさせない
一見、子どものことをよく観察していて、子どものことがわかっている親のようにも見えます。でも、こういうレッテル親は、放任親よりタチが悪いかもしれません。
なぜなら、放任親は、子どもを導くこともしない代わり、足を引っ張ることもないからです。
レッテル貼りは子どもの可能性をつぶしてしまう
足を引っ張るとはどういうことでしょうか?
こういう親のネガティブなレッテル貼りは、子どもの可能性をつぶしてしまうことにもなりかねないのです。
子どもの性格や能力や好みなどは、実はどんどん変わっていくのです。
3歳の時に嫌いだと言っていた野菜を5歳になったら好きになっていたり、何をやってもすぐに飽きてしまった子が、ソロバンだけは集中してやっているとか、足が遅いからスポーツは苦手と思っていたら水泳が得意だったとか、友達に負けたくないと難しいことにもチャレンジするようになったとか、子どもは成長とともにどんどん変わっていきます。
たまたま、初めて食べたニンジンの料理がまずかったとか、まだ、自分が本当に好きだと思えるようなものに出会っていなかったとか、まだ十分に身体が成長していなくて必要な筋肉がついていなかっただけかもしれないのです。
それなのに、早々と、うちの子はこうだああだと、レッテルを貼ってしまったら、子どもも「どうせ僕はできない」とか「どうせ私には無理」と刷り込まれて、無気力でチャレンジ精神に欠ける、自分に自信が持てない子になってしまいます。
貼るならポジティブで明るいレッテルを
親が子どもの性格や傾向を把握することは、決して悪いことではありません。
でも、子どもの性格や能力は、親と言えどもそう簡単にはわからないはずです。
ですから、子どもにマイナスのイメージを持たせるようなレッテル貼りはやめましょう。
もし子どもの性格や能力や好みがある程度わかるなら、それらのプラスの部分を伸ばす方向に導いてあげましょう。
どうせ貼るなら、子どもが自分に自信が持てるようなレッテルがいいですよね。
「うちの子はやればできる子」「好きなことには集中して取り組める子」「うちの子は水泳は苦手だけど球技が得意」など。
人には誰でも得意なこととそうでないことがあります。
親は子どもの不得手なことや苦手なことにばかり目を向けがちですが、ぜひできることや得意なことに目を向けて自信をつけさせてあげましょう。