1点リードの9回に…米大学野球でせつなすぎるサヨナラ負け、しかも3年連続

 米大学野球で悲劇的すぎる幕切れがあった。1点リードの9回1死で投球を捕球できなかった捕手がボールを見失い、三塁走者の生還を許して同点とされると、カバーに入った一塁手の送球が逸れて二塁走者まで生還。勝利目前から一転してサヨナラ負けとなった。MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」も映像付きで特集し「悲惨な形」と伝えている。

 まさかの形で決着がついたのは、23日(日本時間24日)に行われたSEC(サウスイースタン・カンファレンス)トーナメントの3回戦。LSU(ルイジアナ州立大学)と対戦したオーバーン・タイガースは3-2と1点リードで9回裏の守備を迎えていた。1死二、三塁のピンチ。あと2アウトで勝利……という場面で悲劇が起きた。

 左腕ブルックス・フラーの変化球はワンバウンドに。捕手のマット・シェフラーは後ろに逸らすまいと体ごと抑え込んだが、足元のボールを見失った。さらに、ホームプレート上で慌てている間にボールを蹴ってしまい、一塁方向へと転がっていく……。まず三塁走者が生還。カバーに入った一塁手の本塁への送球も逸れて、三塁ファウルゾーンにボールが転がっている間に二塁走者まで一気に生還してしまった。

 サヨナラ勝利に喜びを爆発させるLSUの選手たち。一方で、悲劇のサヨナラ負けとなったオーバーン・タイガースの選手たちは呆然。その場に座り込む選手もいた。

「Cut4」は「オーバーン大のSECトーナメントが悲惨な形で終わった」とのタイトルでレポート。記事では「野球シーズンの興奮を味わい、誰も終わるのを見たくはない。しかし、終わるのであれば、ファンたちは応援しているチームが少なくともを美しく敗退することを望む」として、このシーンを振り返っている。

オーバーン大は過去2年も悲劇の敗戦「痛々しい敗戦」

 フラーの暴投からの一連のプレーの流れを「カオスが起こった」と表現。一塁手の悪送球も重なったことで「悲惨なコンビネーションとなった」としている。さらに、「SECトーナメントで優勝するという夢は終わり、カレッジ・ワールドシリーズ進出へもかなり厳しい状況となった」として「あなたはこれが想像を絶する悲しい負け方だと思っているかもしれない。その通りである。しかし、オーバーン大にとって、この悲しみは以前にもあった」と伝えている。

 実は、オーバーン大は2017年にもフロリダ州立大戦で9回に1点差を追いつかれ、10回にサヨナラ負けするという悲劇があったという。この試合に勝っていれば勝ち抜けが決まっていたが、土壇場で逆転負けを喫し、翌日も敗れて敗戦していた。また、2018年も相手の大飛球をオーバーン大の外野手がグラブで弾いて柵越えとなってしまい、フロリダ大に延長11回サヨナラ負けした試合があった。

 記事ではこの2つの敗戦を振り返りつつ「その時、オーバーン大のファンたちは『これ以上のことが起こり得るだろうか?』と思ったはずである」と指摘。そして「『2020年があるよ』と声をかけたいが、現時点では、彼らが失望していることは想像に難くない」と締めくくっている。

 3年連続で想像を絶する敗戦を喫したオーバーン大。いつか良いことがあると信じたいが……。(Full-Count編集部)