NTTドコモの新料金プラン「ギガホ」と「ギガライト」が4月15日に発表されました。

昨年より検討が進められてきた「通信料」と「本体代金」、この2つを分離したプラン(分離プラン)」として提供されるものです。
「従来よりも最大で4割値下げ」となる価格設定ということで、今までのNTTドコモの料金プランと比べても、大きく変わる部分の多いプランです。

とくにNTTドコモは2014年に、
「カケホーダイ・パケあえる」と発表した現行プランでは
・通話プランは定額制
・複数台でデータ容量をシェアする
という、それまでにない仕組みを提供していました。

また、2015年には
「ドコモ光」がスタートし、光回線とのセット割引もスタートしています。

こうした「現行のプラン」の「内容と使い方がやっとわかってきた」という人も少なくありません。

そうした状況の中での、今回の変更なので、いまひとつ理解できかねている。
そんな人も多いのではないでしょうか。

今回はNTTドコモの新プランについて、
現行プランから大きく変わる部分をピックアップしご紹介していきます。


○「ギガホ」か「ギガライト」、プランの選択はシンプルな二択へ



新プランはスマートフォンで利用する場合の選択肢は、
「ギガホ」と「ギガライト」
このどちらかを選ぶだけというシンプルな選択肢になりました。

大容量のデータ通信を行う使い方であれば、
30GBまで高速通信が行える「ギガホ」を選ぶだけ。

あまり通信を行わない使い方であれば、
使ったデータ量で料金が変わる「ギガライト」を選ぶだけ。

従来であれば
・複数の通話プラン
・データ容量プラン
これらからプランを選び、組み合わせる必要がありました。
また、一部のプランでは組み合わせられないものもあり、悩んでプランの組み合わせを決めても、実際には選べなかった、なんてことも珍しくありませんでした。


今回の新プランでは、
ギガホの場合、
スマホ時代にあわせた「データ通信」をフィーチャーした料金プランとして、お馴染みになった
・大容量プラン
・段階制プラン
この2つから選べばOKとなります。
「プランの選択が複雑でわかりにくい」と言われた料金プランを、シンプルに選べるよう見直しているのが特徴です。


○家族みんなドコモなら、もっとおトクに



今回の「ギガホ」「ギガライト」プランから、
「みんなドコモ割」
こちらもスタートします。

「みんなドコモ割」は、
「家族でドコモユーザーが何人いるか」
という条件で割引率が変わるプランです。
・ドコモを利用中
・音声通話が可能なプランを契約中
・ファミリー割引に加入中
これらを利用中の人数に応じて割引率が変わります。

ちなみに家族全員が「ギガホ」「ギガライト」を利用中でなくても割引のための人数カウントは行われます。

つまり、
「自分だけ機種変更と同時にギガホに変えてしまった」
こうしたケースでも、しっかり割引されるので、ここは嬉しい仕組みですね。

○「シェア」は、割引き料金がわかりにくいので、なくなる



現在提供されている「シェア」は、
データ容量を家族で分け合って使えるプランです。

「シェア」に関しては、
・「複雑」でわかりにくくなったというネガティブな評価
・家族でデータ容量を分け合って使えてお得だというポジティブ評価
両方がありましたが、
今回のギガホ・ギガライトのプランでは利用できなくなります。

例外として、
ギガホ・ギガライトを契約したスマートフォンに、タブレットやWi-Fiルーターを一台紐付けてた場合の「データプラス」というプラン・オプションでのみ、データ容量をわけあって利用できることができます。

しかし、ギガホ・ギガライトは、「シンプルに選んで使う」料金プラン。
このため、家族のスマートフォン台数で割引き料金が変動するため、料金がわかりにくくなる「シェア」はなくなります。


○月々サポート、docomo with、端末購入サポート、本体の割引がなくなる



今年の秋以降の電気通信事業法の改正で
・機種購入を条件に、通信料を割り引くこと
・一定期間の縛りを設け、機種代金を割り引くこと
これらが禁止される予定があります。

今回の「ギガホ・ギガライト」などの新料金プランは「分離プラン」となります。
今秋の法改正も視野に入れ、前述の条件で「通信料」や「本体代金」を割引、提供しないプランとなります。

これまでは、新しい機種を購入すると、
・2年間で総額○円、毎月だと○円、通信料から割り引きされます
・割り引いた総額を考えると、機種代金は実質○円になります
このように説明、案内されてきました。
しかし、こうした値引きをするための「月々サポート」のような割引は、
「ギガホ・ギガライト」などの新料金プランでは適用できなくなります。

このため、こうした割引サービスは新プランの登場と同時に受付が終了します。

「これらの割引が適用されない=本体代金はすべて負担する」
こうなると、せっかく通信料が安くなったのに、
・本体代金を含めたら料金は変わらない
・総額では高くなってしまう
こうした可能性もあります。

NTTドコモでも、今後、
「ギガホ・ギガライト」など新料金プラン提供開始の前に、
「月々サポートなどに変わる購入補助」
こうしたサービスを発表する予定があると予告はしています。


新料金プランで、選択肢がシンプルになり、通信料の割引も「全員がスマホを使っていないとお得にならない」といったような仕組みもなくなります。

「ギガホ」「ギガライト」の新プランは、かなり柔軟性の高い料金プランになったと言えます。

しかしながら、現在の料金プランは、新プランとは真逆で、
「複数人で利用する」ことを前提としたプランです。
そのため、現行プランから新プランへの変更は
「家族も巻き込む」
「家族のプランも連動して変更を余儀なくされる」
といった課題もでてきそうです。

このため「新プランに移行したいが、容易に変更できない。」
そうした悩みもでてくるかもしれません。
もし心配であれば、ドコモショップで相談しながら、進めてみるとよいでしょう。


執筆 迎 悟