「日本が世界に誇れるアニメ文化に関わる仕事がしたい」と声優を志し、18歳まで暮らしたドイツを離れ、日本へやってきた。

日本人の両親の元に育ちながら、その青春のほとんどをドイツで過ごした特殊なメンタリティは、まるで映画や漫画から抜け出してきた主人公のように、どこまでもアツくて奔放だ。

「ライバルがいるとしたら自分自身」
「欲しいものはどんな手を使ってでも手に入れる」
「みんなにとってのオンリースターでありたい」

デビューから15年以上が経つが、さまざまな個性が割拠する声優界において、唯一無二の存在感を放ち続けている。

柿原の口から飛び出す言葉は、いつだって直球だ。ストレートすぎるがゆえに、時として誤解を招くこともある。その一方で、本人との対話を通じて肌で感じる柿原の本質は、そういった世間のイメージとは異なるのもまた事実だ。

柿原徹也とは、何者なのか。

今回のインタビューでは、9年目に突入した音楽活動への想いを通じ、彼を構成する哲学の数々を紐解いていく。

撮影/アライテツヤ 取材・文/岡本大介
スタイリング/青木紀一郎 ヘアメイク/大橋美沙子