ファッションデザイナーのみすさちこと見須幸代さんをPICK UPする連載!
第3回は、1回目に続いて見須さんのお仕事にフィーチャー。知ってるようで知らない、ファッションデザイナーのお仕事について解説してもらいました!
ファッションデザイナーとは?
ーそもそもファッションデザイナーってどういう職種?具体的には何をするの?
「デザイナーと一口に言っても、そのブランドの組織図によって役割がちがってくるので難しいところですが…。ざっくり言ってしまえば、“服を作る仕事”って感じですかね(笑)。
役割がちがってくると言うのは、デザイナーが世界観やテーマ、キーカラーまで全て決めるところもあれば、それはチーフやディレクターと呼ばれる人が作って、デザイナーは洋服のデザインから入るっていうブランドもあります。ちなみに、私の場合は世界観からディテール、スタイリングまで全て自分で決めていました!」
洋服ができる過程を教えて!
見須さんが作成したイメージマップ
ーデザインするのにまず必要になってくるのが、このイメージマップ?
「はい。イメージマップというのはシーズンテーマやキーカラーなどを表現したものになり、これを元に洋服をデザインしていきます。」
ーこれはどういう流れで作っていくの?
「私の場合はコレクションを見て、そこからインスピレーションで作っていきます。例えば、“レトロ”なアイテムが多かったら、90年代のコレクションを見返したり、その時代に流行っていたカルチャーを調べてみたり…。ただイメージをランダムに貼り付けてるわけじゃなくって、色のバランスとかも重要になってくるので、たいていは試行錯誤しながら半日以上かけて作っています。」
見須さんが描いたデザイン画
ーイメージマップが完成したら、どの過程に進むの?
「イメージマップができたあとは、企画のチームでアイテムを検討していき、デザイン画を描きます!
デザイン画ができたら、そのあとに『仕様書』というものを作成します。仕様書というのは、着丈とか細かい寸法を全て記したもの。これを元にメーカーと商談したり、サンプルを作ってもらうんです。」
メーカーとの商談風景
ーメーカーとの商談では、何を決めるの?
「仕様書と照らし合わせながら、具体的にはコストの相談とかですね。あとはディテールや生地の相談などをします。」
サンプルチェック中の見須さん
ー具体的にアイテムができあがってくるのはどの時期?
「商談後にメーカーがサンプルをあげてきてくれるので、ここではじめて形になります。このサンプルを、“検討会”という会議で事業部全員にプレゼンします。プレゼン前には、“サンプルチェック”と言って自分で着用して寸法が合っているか確認したり、スタイリングを決めておきます。
この検討会も1回ではなく、最大で3回行っています。まずファースト検討会では、どこを削るか、どういうアイテムにしていくか、カラー展開などを決めていきます。セカンド検討会では、微修正。サードは必要であればやるという最終確認になります。
基本的にはセカンドまで終わったら、次はもう展示会です。そして、セカンド検討会をやっている最中に、同時進行で次のシーズンのテーマとかを探しはじめて…。1シーズンだけではなく、常に数シーズン重なって進めてるような状態なんです…!」
ー洋服が1着できるまで、大体2週間程度だそう。この過程を経て、洋服ができあがります!
夢がなくてごめんなさい!(笑)ランチはコンビニ率が高めです
見須さんの1週間のスケジュール(2月某週)
「1週間の流れはこんな感じです♪毎日決まった仕事のルーティーンではなく、日によってスケジュールはバラバラ!会議も多いので、合間に、仕様書を作ったり情報をリサーチしたりしています。
金曜に入っている『店舗リサーチ』でよく行くのは、109や新宿ですね。お店に並ぶアイテムはもちろん、接客とお客様のチェックもしています。
正直に言っちゃうと、ランチはオシャレなカフェで…じゃなく、仕事しながらコンビニごはんをデスクで食べることが多いです(笑)」
デザイナーに向いてるのは、好奇心旺盛な人!
ー見須さんが思うデザイナーに向いてる人はどんな人?
「やっぱり好奇心がある人ですかね。いろんなものをちゃんと吸収できる人。固執してしまうと、どんどん取り残されてしまうので。そうなると、『どこかで見たことあるよね』っていうデザインしかできなくなりがち。いかに柔軟性を持てるか、が大切だと思います。」
デザイナーとして一番嬉しさを感じるのは、“作った洋服が売れたとき”という見須さん。
これからもどんどん見須さんにしか作れないようなアイテムを生み出していってくれると思います!
次回で見須さんの連載は最後…!最終回は見須さんのポーチの中身を大公開しちゃいます♡
〈Photo:Kusumoto Takaki(will creative) Edit&Text:Kasumi Ito(vivace)〉