14日、今年のJリーグ開幕を前にキックオフカンファレンスが開催され、J1各チームから監督と選手が集まった。C大阪のブースには、選手代表として札幌から移籍してきた都倉賢の姿があった。
都倉の側に立っていたのは橋本毅夫事業部長。かつてザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)のゼネラルマネジャー補佐として都倉を移籍させた人物でもある。
2008年、3年半在籍した川崎では6試合しか試合に出場できなかった都倉は期限付きで草津でプレーした。結局その年で都倉と川崎との契約が終わる。そこで橋本氏は都倉に声をかけた。
都倉は「橋本さんが足下を見て、ただでさえ低い給料をこれでもかっていうくらい下げて」交渉してきたと本人を前に笑った。都倉は家賃や車のローンなどの固定費を計算し、草津の年棒なら「月3万円は余る」と思って契約したそうだ。
しかも契約の場は、モスバーガー。「なかなかいないですよ。モスバーガーで契約した選手が、キックオフカンファレンスにやってくるようになるなんて」。都倉がそう言うと、練習場の近くにファミリーレストランがなかったからと橋本氏は苦笑いした。
その後、都倉は草津で年間23ゴールを挙げ、神戸、札幌と移籍し、C大阪にやってきた。「一番もがいていたころの自分を知っている人が同じチームにいるということは心強い」と都倉は言う。
そんな苦労を重ねてきた都倉だが、慶応義塾の幼稚舎から大学まで歩んだという輝かしい学歴の持ち主だ。同級生でこんなに苦労した人物はいないのではないか、と聞くと「自分が望んでいた世界だし、苦労だとは思ってなくて毎日が楽しかった」と微笑んだ。
昔は30歳まで現役を続けることが目標だったという都倉は今年で33歳になる。今の目標は「最年長で日本代表に選ばれること」。Jリーグ発足後は元川崎の寺田周平氏が32歳339日で選ばれたのが最年長となる。ファストフード店での契約から登ってきた都倉の挑戦は、まだまだ続いている。
【文:森雅史/日本蹴球合同会社】
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